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あんぱん 芸術学校 モデル 東京高等工芸学校図案科(今の千葉大学)

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朝ドラあんぱんの芸術学校とは東京高等工芸学校のこと

朝ドラ「あんぱん」では、やなせたかしさんがモデルとなっている柳井崇(北村匠海)は、芸術学校に通って座間晴斗(ざまはると)という先生に出会います。

座間晴斗は杉山豊桔がモデルのことですが、朝ドラ「あんぱん」の芸術学校とは東京高等工芸学校図案科のことで、現在の千葉大学工学部デザイン学科の前身の学校です。

実際にやなせたかしさんは1939(昭和14)年に東京高等工芸学校図案科を卒業されています。

自由な校風の東京高等工芸学校図案科

朝ドラ「あんぱん」に登場する座間晴斗のモデルである、杉山豊桔教授は型にとらわれず本質を見抜き、学生達に真の自由を説くといった感じの先生であったようです。

やなせたかしさんは自著の「人生なんて夢だけど」で、杉山豊桔教授に教わったことをこのように述べています。

東京高等工芸学校は、他の芸術系の学校と違って校風は温和で、なんともいえぬ自由な暖かさがありました。「諸君は机にはりついて勉強するよりも毎日銀座へ行け」と言われた杉山豊桔先生のもうひとつの言葉をしっかり覚えています。
「デザインの学校に入ったからといって、デザイナーにならなくたっていい、小説家でもタップダンサーでもなんでもいい、好きな道へ進めばいい。ここは自由な学校だから」

やなせたかし「人生なんて夢だけど」 フレーベル館 83ページより

座間晴斗(ざまはると)モデル 杉山豊桔(とよき) 朝ドラあんぱん

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通うのが楽しかった東京高等工芸学校図案科

杉山豊桔教授はやなせたかしさんをはじめとした学生たちに、東京高等工芸学校図案科を「自由な学校」と表現しました。

やなせたかしさんが1995年に書いた「アンパンマンの遺書」では、東京高等工芸学校図案科が当時、どれほど自由な校風を持っていたか具体的に説明されています。

東京高等工芸学校は自由主義の申し子としてこの世に生まれた。
制帽はソフト、制服は背広、ワイシャツはかならずしも白でなくてもよく、制服も派手でなければ黒でも紺でもよかった。ネクタイは細身で紺地に七色の虹が斜めに入っていたが、これもあまり強制はされず市販のものでよかった。学生は紳士であり、自由であるという思想からきていた。

やなせたかし「アンパンマンの遺書」 岩波現代文庫 25~26ページ

やなせたかしさん自身は、杉山豊桔の教えだけでなく、東京高等工芸学校の自由な校風について自分の性格にぴったりあっていたといい、毎日学校へ行くことがとても楽しかったと語っています。

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