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ブラッサム 小山牛丸(イッセー尾形)とは?モデルは徳富蘇峰・徳冨蘆花兄弟か

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朝ドラ「ブラッサム」に登場する小山牛丸(こやまうしまる/イッセー尾形)は、作家・翻訳家として活動する年齢不詳、神出鬼没の人物です。

主人公・葉野珠(石橋静河)が愛読している海外文学作品の翻訳を手がけており、珠にとって憧れの存在として登場します。

NHKから小山牛丸のモデルとなった実在人物は発表されていません。

ただし、長い白ひげを蓄えた老知識人という人物造形や、海外の文学・文化を日本へ紹介する人物という設定から、徳富蘇峰や弟の徳冨蘆花など、明治から大正期に活躍した文学者・知識人の要素が取り入れられている可能性も考えられます。

この記事では、小山牛丸とはどんな人物なのか、モデルとして考えられる徳富蘇峰・徳冨蘆花兄弟との共通点、小説家・宇野千代(1897~1996年)と西欧文学との関係、演じるイッセー尾形さんについて紹介します。

宇野千代とは?
青年期の葉野珠(石橋静河)とは?
ブラッサム 登場人物 モデル一覧

目次

結論|小山牛丸とは?モデルは徳富蘇峰・徳冨蘆花兄弟か

小山牛丸についてポイントをまとめると、以下の通りです。

・小山牛丸は作家・翻訳家
葉野珠(石橋静河)が愛読する海外文学作品を翻訳している
・年齢不詳で神出鬼没の人物
・モデルとなった実在人物は発表されていない
・徳富蘇峰や徳冨蘆花などの文学者・知識人がモチーフとなった可能性も考えられる
宇野千代は1920年代、三好達治や今東光を通じて新しい西欧文学に触れている
・小山牛丸を演じるのは朝ドラ5作目となるイッセー尾形さん

小山牛丸を一人の実在人物と対応させることは、現時点ではできません。

むしろ、明治から昭和初期にかけて海外の文学や思想を日本へ紹介した複数の文学者・知識人の要素と、宇野千代が新しい西欧文学から刺激を受けた史実を組み合わせて誕生した架空人物である可能性も考えられます。

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ブラッサム 小山牛丸とは?珠が憧れる作家・翻訳家

「ブラッサム」の小山牛丸は、作家・翻訳家として活動する人物です。

NHKでは小山牛丸について、

珠が愛読する海外文学作品の翻訳家。年齢不詳、神出鬼没の人物。

と紹介されています。

つまり珠は、小山牛丸本人と出会う前から、牛丸が翻訳した海外文学作品を読んでいたことになります。

明治から大正時代にかけて、海外の文学作品は翻訳を通じて日本へ次々と紹介されました。

小山牛丸は、海外文学と日本の若い文学者たちをつなぐ存在として「ブラッサム」に登場するのかもしれません。

また「年齢不詳」「神出鬼没」という設定からも、実在人物をそのままドラマに登場させたというより、フィクション性の強いキャラクターであることがうかがえます。

小山牛丸のモデルは徳富蘇峰・徳冨蘆花兄弟か?

NHKは、小山牛丸のモデルとなった実在人物を発表していません。

そのため以下は推測となりますが、小山牛丸には徳富蘇峰と、その弟・徳冨蘆花をはじめとする明治期の知識人・文学者の要素が取り入れられている可能性があります。

徳富蘇峰を思わせる老知識人の人物造形

徳富蘇峰(1863~1957年)は、明治から昭和にかけて活動したジャーナリスト・思想家・歴史家です。

民友社を設立して雑誌「国民之友」を創刊し、1890(明治23)年には「國民新聞」を創刊するなど、日本の言論界に大きな影響を与えました。

また西洋の政治や社会、思想にも強い関心を持ち、海外の新しい知識を日本社会へ紹介した知識人でもあります。

小山牛丸を演じるイッセー尾形さんは、劇中では長い白ひげを蓄えた老知識人を思わせる姿で登場します。

長い白ひげを蓄えた晩年の徳富蘇峰の風貌を思わせる部分があることも、小山牛丸のモデルを考えるうえで興味深い点です。

ただし、小山牛丸は「作家・翻訳家」であり、徳富蘇峰をそのままモデルにした人物と考えるには一致しない部分もあります。

「作家・翻訳家」は弟・徳冨蘆花との共通点

そこで注目したいのが、徳富蘇峰の弟・徳冨蘆花(1868~1927年)です。

徳冨蘆花は「不如帰」「思出の記」「自然と人生」などで知られる小説家です。

その一方、若い頃には兄・蘇峰の民友社で仕事をしており、海外の人物や歴史などを日本へ紹介する翻訳・纂訳にも携わり、海外の文学や思想から大きな影響を受けたという点では、小山牛丸の設定と徳冨蘆花には共通する部分があります。

蘆花の翻訳作品には、

・「如温武雷土」
・「理査土格武電」
・「グラッドストーン伝」
・「近世欧米 歴史之片影」
・「世界古今 名婦鑑」
・「外交奇譚」

などがあります。

また蘆花はロシアの文豪レフ・トルストイから強い影響を受け、1906(明治39)年にはロシアを訪れてトルストイ本人とも面会しました。

「作家」であり「翻訳」に携わり、「海外文学」と深い関係を持つという点では、小山牛丸の設定と徳冨蘆花には共通する部分があります。

そのため小山牛丸は、

徳富蘇峰のような老大家・知識人としての人物像

と、

徳冨蘆花の作家・翻訳・海外文学という要素

などを組み合わせて作られた人物とも考えることができます。

ただし、宇野千代と徳富兄弟に直接の交流があったことを示す記述は、宇野千代の自伝「生きて行く私」や「宇野千代全集」の年譜からは確認できません。

そのため「小山牛丸のモデルは徳富蘇峰・徳冨蘆花兄弟」と断定することはできません。

徳富蘇峰と滝田樗陰には深い関係があった

宇野千代と徳富蘇峰との直接的な関係は確認できませんが、宇野千代を文壇へ導いた編集者・滝田樗陰(たきたちょいん)を介すると両者はつながります。

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滝田樗陰は徳富蘇峰を尊敬して国民新聞社へ入社

滝田樗陰は「中央公論」の名編集者として、芥川龍之介、谷崎潤一郎、菊池寛、佐藤春夫など多くの文学者と交流した人物です。

東京帝国大学在学中から「中央公論」で外国の新聞や雑誌の記事を翻訳する仕事をしていました。

その後、大学を中退するかどうか悩んでいた滝田は、尊敬していた徳富蘇峰を訪ねて相談。

これをきっかけに、蘇峰が創刊した「國民新聞」を発行する国民新聞社に入社しました。

しかし国民新聞社には長く在籍せず、「中央公論」へ戻っています。

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滝田樗陰は徳富蘇峰の談話を一言一句聞き漏らさず筆記

それでも滝田はその後も徳富蘇峰を深く敬っていたようです。

滝田樗陰 『中央公論』名編集者の生涯」には、滝田の娘・西村春江による興味深い回想が紹介されています。

滝田が徳富蘇峰の談話を筆記することになると、前日の夜から時間をしきりに気にしていました。

妻は鉛筆を1ダースほどきれいに削り、赤鉛筆や青鉛筆、消しゴム、辞書まで用意。

滝田は蘇峰の話を一言一句聞き漏らさないよう集中して筆記するため、仕事を終えるとひどく疲れていたといいます。

芥川龍之介も頭が上がらなかった滝田樗陰が敬った徳富蘇峰

滝田樗陰は、芥川龍之介をはじめとする若い文学者たちに大きな影響力を持った編集者でした。

その滝田自身が徳富蘇峰を強く敬っていたことからも、当時の蘇峰が言論界でいかに大きな存在だったのかがうかがえます。

「ブラッサム」においても、こうした明治から大正期の文学・言論界の人間関係が、複数の架空人物へ再構成されている可能性があります。

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宇野千代は三好達治や今東光から新しい西欧文学に触れた

小山牛丸を考えるうえでもう一つ注目したいのが、宇野千代と西欧文学との関係です。

1928年ごろ三好達治や今東光から新しい西欧文学を知る

宇野千代全集 第12巻」に収録された年譜によると、1928(昭和3)年ごろの宇野千代は、三好達治や今東光との交流を通じて、夫・尾崎士郎が知らなかった新しい西欧の文学に触れていました。

つまり史実の宇野千代にも、周囲の文学者たちを通じて新しい海外文学の世界に触れ、それまで知らなかった文学から刺激を受けた時期があったことになります。

「ブラッサム」の葉野珠が、海外文学を翻訳する小山牛丸の作品を愛読しているという設定は、この史実を考えるうえでも興味深いものです。

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小山牛丸は三好達治そのものがモデルではない

もちろん、

小山牛丸=三好達治

という意味ではありません。

史実では三好達治や今東光など複数の文学者との交流を通じて宇野千代が新しい西欧文学に触れました。

ドラマでは、こうした史実上の出来事を「海外文学作品の翻訳家・小山牛丸」という一人の架空人物に集約している可能性も考えられます。

複数の文学者と宇野千代の体験を組み合わせた人物か

その場合、小山牛丸は特定の実在人物一人をモデルとしたキャラクターではなく、

徳富蘇峰や徳冨蘆花など海外の思想・文学を日本へ紹介した先人たちの人物像

と、

宇野千代が三好達治や今東光らを通じて新しい西欧文学に触れた経験

などを組み合わせて作られた人物なのかもしれません。

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小山牛丸を演じるイッセー尾形とは?

小山牛丸を演じるイッセー尾形さんは、1952年2月22日生まれ、福岡県出身の俳優です。

一人芝居の第一人者として知られ、舞台だけでなく映画やテレビドラマなど幅広い分野で活躍しています。

イッセー尾形のプロフィールと一人芝居

イッセー尾形さんは1971年に演劇活動を始めました。

1981年には「お笑いスター誕生!!」で8週勝ち抜き、金賞を受賞。

その後は一人芝居を中心に活動し、1990年代からは海外でも公演を行うなど、一人芝居の第一人者として独自の地位を築いてきました。

また映画、テレビドラマ、ラジオ、ナレーションなどでも幅広く活動しています。

「太陽」「沈黙」など国内外の映画に出演

俳優としても数多くの映画に出演しています。

市川準監督の映画「トニー滝谷」や、アレクサンドル・ソクーロフ監督の「太陽」では主演を務めました。

「太陽」では昭和天皇を演じています。

またマーティン・スコセッシ監督の映画「沈黙-サイレンス-」にも出演するなど、海外の映画監督による作品にも出演しています。

さらにイッセー尾形さんは、夏目漱石などの文学者を題材とした「文豪シリーズ」を一人芝居で演じるなど、文学を題材とした舞台にも長年取り組んできました。

文学者を題材とする舞台を演じてきたイッセー尾形さんが、「ブラッサム」で海外文学を翻訳する謎めいた作家・小山牛丸をどのように演じるのか注目です。

イッセー尾形は「ブラッサム」が5作目の朝ドラ

イッセー尾形さんは「ブラッサム」が5作目の朝ドラ出演となります。

これまでに出演した朝ドラは、

・「凜凜と
・「つばさ
・「まんぷく
・「スカーレット

の4作品です。

そして「ブラッサム」では、作家・翻訳家の小山牛丸を演じます。

NHKから出演が発表された際、イッセー尾形さんは小山牛丸について「どんな人物かは知りませんが、私が牛丸だ、みたいな気持ちでぶつかります」とコメントしています。

「年齢不詳、神出鬼没」という一風変わった小山牛丸と、一人芝居で数多くの個性的な人物を演じてきたイッセー尾形さんとの組み合わせも、「ブラッサム」の見どころの一つとなりそうです。

まとめ|小山牛丸は海外文学を通じて珠に影響を与える作家・翻訳家

「ブラッサム」の小山牛丸は、葉野珠が愛読する海外文学作品を翻訳している作家・翻訳家です。

年齢不詳で神出鬼没という謎の多い人物で、モデルとなった実在人物は発表されていません。

ただし、老知識人を思わせる人物造形からは徳富蘇峰、「作家・翻訳家」「海外文学」という設定からは徳冨蘆花などとの共通点があります。

一方、葉野珠のモデル・宇野千代も、三好達治や今東光との交流を通じ、1928(昭和3)年ごろに新しい西欧文学に触れていました(「宇野千代全集 第12巻」の年譜より)。

小山牛丸は、こうした複数の文学者・知識人や宇野千代の文学体験を再構成して誕生した「ブラッサム」オリジナルの人物なのかもしれません。

演じるのは、一人芝居の第一人者として長年活動してきたイッセー尾形さんです。

今後「ブラッサム」の放送で小山牛丸が葉野珠にどのような文学作品や考え方を伝えるのかが描かれれば、モデルを考える新たな手がかりが見つかるかもしれません。

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FAQ | 小山牛丸についてよくある質問

Q. 小山牛丸とは誰ですか?

A. 小山牛丸は、朝ドラ「ブラッサム」に登場する作家・翻訳家です。

主人公・葉野珠が愛読する海外文学作品を翻訳しており、年齢不詳、神出鬼没の人物として描かれます。

Q. 小山牛丸のモデルは誰ですか?

A. NHKから小山牛丸のモデルとなった実在人物は発表されていません。

人物造形などから徳富蘇峰、「作家・翻訳家」という経歴から徳冨蘆花などとの共通点がありますが、現時点では推測となります。

複数の文学者・知識人の要素を組み合わせた架空人物である可能性も考えられます。

Q. 小山牛丸と徳富蘇峰の関係は?

A. 小山牛丸は架空人物であり、徳富蘇峰との関係は発表されていません。

ただし老知識人を思わせる人物造形や、海外の文化・思想を日本へ紹介した蘇峰の活動など、モデルを考えるうえで興味深い共通点があります。

Q. 小山牛丸役は誰ですか?

A. 小山牛丸を演じるのはイッセー尾形さんです。

「凜凜と」「つばさ」「まんぷく」「スカーレット」に続き、「ブラッサム」が5作目の朝ドラ出演となります。

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参考文献

今回の記事は以下の書籍を参考としています。

著:宇野 千代, 著:小林庸浩 ほか, 著:小林庸浩 ほか
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KADOKAWA
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著:工藤美代子
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