朝ドラ ばけばけ 山根銀二郎のモデル
山根銀二郎とは
2025年後期NHK朝ドラ「ばけばけ」に登場する、寛一郎さん扮する山根銀二郎(やまねぎんじろう)とは、髙石あかりさん演じるヒロイン・松野トキのお見合い相手です。
山根銀二郎のモデルは実在した小泉セツの最初の結婚相手である、前田為二(まえだためじ)であると考えられます。
ばけばけ 山根銀二郎の役柄
鳥取県因幡の貧窮足軽の次男として生まれ、極貧生活の中で育つ。厳格な父のしつけのもと、時代が変わってもなお、武士としての生き方を貫いていた。トキとお見合いすることになる。趣味は浄瑠璃や怪談で、読むことも語ることも楽しみのひとつ。
前田為二とはどんな人物だったのか
旧鳥取藩の士族・前田家の次男で小泉セツと結婚
前田為二は旧鳥取藩の士族・前田家の次男です。1886(明治18)年、28才のときに小泉セツと結婚して稲垣家の婿養子となります。前田為二も近松門左衛門の浄瑠璃物を愛読する物語好きで、六弦の月琴も習う風流な男性でした。
しかし、「八雲の妻 小泉セツの生涯」によると、前田為二は稲垣家の人たちと反りが合わなかったようです。小泉セツの祖父・稲垣万右衛門や父・稲垣金十郎にしてみると「婿をもらってやった」という気位の高さが見え見えで、為二を稲垣家の家風に合わせようと「しつけ」をしようとしたからです。
稲垣家の「しつけ」と貧しさに耐えかねて1年で結婚解消
稲垣家を支えるために前田為二は懸命に働きはしたものの、稲垣万右衛門と稲垣金十郎は家計のために何らなすことはしません。さらに前田為二が小泉セツと結婚したころ、セツの実家である小泉家も貧窮の極みにあり、その小泉家を支える稲垣家も最悪の状態にありました。
結局、前田為二は婿養子となったものの、義理の祖父と父からの「しつけ」と貧しさに耐えかねて、小泉セツと結婚してからわずか1年後の1887(明治17)年に、稲垣家を出奔します。
前田為二が大阪に住まいを変えたと聞いた小泉セツは大阪まで出向き、松江に戻るよう説得しますが、もはや聞く耳を持たなかったと言われています。