「あんぱん」 愛国の鑑の意味は「愛国者」と「朝田のぶ」
愛国の鑑(あいこくのかがみ)の基本的な意味
NHKの2025年前期朝ドラ「あんぱん」では登場人物たちの口から、たびたび「愛国の鑑(あいこくのかがみ)」というセリフが出てきます。
「愛国の鑑」とは「君主(天皇陛下)に忠義を尽くし国を愛する模範的な人物」という意味になりますが、朝ドラ「あんぱん」ではドラマの場面によって意味が若干異なります。
「教育勅語」で語られた忠君愛国
朝ドラ「あんぱん」の「愛国の鑑」というセリフは、1890(明治23)年に明治天皇の名前で発布された「教育勅語」に基づいて生み出されたと推測されます。
国立公文書館は「教育勅語」には教育の基本方針が定められ、忠君愛国などの国民が守るべき道徳について、天皇が国民に個人・社会・国家の側面から今後も遵守・実践することを希望するものであったと説明しています。
1. 愛国の鑑 そのままの意味で使われる場合
第6週「くるしむのか 愛するのか」で女子師範学校の校長先生が使う場合や、第7週「海と涙と私」で黒井雪子先生(瀧内公美)が使う「愛国の鑑」とは、冒頭で説明したように「愛国の模範」という意味になります。
「黒井先生、二年間、お世話になりました」 のぶが最敬礼して歩き出すと、黒井は大きな声でエールを送った。 「愛国の鑑たれ!」
中園 ミホ; 後藤 美奈. NHK連続テレビ小説 あんぱん 上 (p. 150). (Function). Kindle Edition.
これらのケースでは、愛国者を素直に褒める意味合いで使われています。
2. 愛国の鑑 朝田のぶを意味する場合
第7週「海と涙と私」の屋村草吉(阿部サダヲ)や第10週「生きろ」の朝田蘭子(河合優実)が使う場合、「愛国の鑑」は朝田のぶ(今田美桜)の人物をそのものを指す意味になります。
夏休みになり、のぶは御免与に帰省した。この夏休み中に就職先となる尋常小学校を見つけなければならないので、悠長に過ごしている暇はない。のぶは居間に上がると、結太郎のソフト帽に向かってビシッと敬礼をした。その様子を見ていた屋村が半笑いでからかう。 「おう、愛国の鑑。敬礼が本物の軍隊みたいになってきたな」
中園 ミホ; 後藤 美奈. NHK連続テレビ小説 あんぱん 上 (p. 130). (Function). Kindle Edition.
これらのケースでは、女子師範学校での教育を通じて軍国主義に偏った思想の持ち主となった朝田のぶのことを、やや皮肉をこめて呼ぶときに使われています。
あんぱん 「愛国の鑑」のセリフが登場する週
あんぱん 6週
あんぱん 7週
あんぱん 8週
あんぱん 10週

