「戦友殿」の意味とは
柳井崇が使う「戦友殿」とは八木信之介上等兵のこと
NHKの朝ドラ「あんぱん」第11週「軍隊は大きらい、だけど」では、「戦友殿(せんゆうどの)」というセリフがよく聞かれるようになります。
「戦友殿」とは、柳井崇(北村匠海)のようなの初年兵が、戦友である八木信之介上等兵を敬って呼ぶときに使うセリフです。
戦友とは
戦友とは軍隊における相棒の関係のことで、現代風にいうと「バディ」ということになるでしょう。
「あんぱん」第11週で軍隊に入隊したばかりの柳井崇のような新兵からすると、八木信之介のような古年次兵(古兵)が戦友となります。
軍歴の長い戦友が、軍歴の短い戦友に対して、軍隊生活の要領や戦闘行動の仕方などを教え、逆に軍歴の短い戦友は長い戦友のベッドを整えたり、軍靴を磨いたりするなどお世話をすることになります。
やなせたかしさんの戦友殿
八木信之介上等兵のモデルは新屋敷上等兵
朝ドラ「あんぱん」では柳井崇は、小倉の連隊で八木信之介上等兵と戦友の関係になります。柳井崇のモデルとなったやなせたかしさんは、九州にある小倉の野戦重砲隊で新屋敷上等兵と戦友の関係になったそうです。
上等兵の三年兵となれば班の中では神様のようで、ほとんど何ひとつ自分ではしなかった。戦友と称して隣のベッドの初年兵が、整理整頓、靴みがき、銃剣の手入まで全部やる。 ぼくは新屋敷上等兵殿の戦友にされた。三年兵で鬼屋敷と呼ばれて恐れられていたが、なかなかの快男子で、特に馬の扱いに関しては優れていた。
やなせ たかし. アンパンマンの遺書 (岩波現代文庫) (p. 59). (Function). Kindle Edition.
新屋敷上等兵と戦友だったやなせたかしさん
「上等兵殿(じょうとうへいどの)とは 八木信之介 あんぱん 朝ドラ」という記事でも述べましたが、戦時動員がかかって兵卒の数が膨れ上がった陸軍で、徴兵で入隊した兵卒が上等兵に進級することはなかなか大変なことでした。
3年目までには上等兵に進級していた、この新屋敷上等兵は兵士としては優れた人物だったのでしょう。
やなせたかしさんは新屋敷上等兵のおかげで、他の古兵たちから浴びるリンチを防げたと、著作の「アンパンマンの遺書」で回顧されています。
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