小泉八雲・セツ夫妻の子どもたちについて
日本で4人の子をもうけた小泉八雲
NHKの2025年後期朝ドラ「ばけばけ」のレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)のモデルとなっている小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)には、妻・小泉セツ(「ばけばけ」の松野トキのモデル)との間に息子3人、娘1人の子どもたちをもうけました。
それぞれ上から長男・一雄(かずお)、次男・巌(いわお)、三男・清(きよし)、長女・寿々子(すずこ)です。
小泉八雲の息子たちの詳細について
小泉八雲と小泉セツの子どもたちについては、「小泉セツ 子供 子孫 朝ドラ ばけばけ 松野トキのモデル」という記事でそれぞれがどんな人生を歩んだのかを簡単に説明しています。
また「八雲の妻 小泉セツの生涯」では第五章の「未亡人時代」において、一雄・巌・清の3人の息子たちについてより詳しい人生が紹介されています。こちらも参考になるでしょう。
今回の記事では長男・一雄が1950(昭和25)年に出版した「父小泉一雄」の内容に基づいて、八雲とセツの名付けの由来について紹介します。
小泉八雲 息子たち 名前の由来
長男・小泉一雄 1893(明治26)年生まれ
「一雄(かずお)」という名前は「ラフカディオ」の「カディオ」の部分から由来しています。よって小泉八雲は当初、「梶夫(かじお)」と名付けたかったようですが、セツは反対。
なぜなら「梶」の字を使うと、歌舞伎や人形浄瑠璃の敵役の名前として使われる「梶原」を思い出したり、「火事」を思い起こしたりするためです。
そこでセツは八雲がイギリス人であることから、「英雄(ひでお)」という名前を提案しますが、今度は八雲が却下。”hideous(恐ろしい)”という英単語と語呂が似ているためです。
結局、長男の名前は「一匹の雄」という意味で「一雄」という名前に落ち着くことになります。
次男・稲垣巌 1897(明治30)年生まれ
「巌(いわお)」という名前は、陸軍の大山巌大将の名前や「君が代」の歌詞から取られたものとされていますが、小泉一雄は他にも2つの説を唱えています。
1つは母・小泉セツの生家である小泉家の祖父は「小泉岩苔(がんたい)」という名前で、次男には「苔むす岩」として即ち「巌」と名付けた説。
2つ目は父・八雲の生まれたギリシャのリュカディア島は「巌」で成り立っていた島であったことから「巌」と名付けた説。
これら3つの考えから次男には「巌」という名前が付けられました。なお次男の巌の姓が「稲垣」であることは、4才のときに小泉セツの養家である稲垣家を継ぐことになったことによるものです。
三男・小泉清 1899(明治32)年生まれ
「清」という名前は、濁ることなくいつも小泉の水は清かれかしの意図からつけられました。
長女・小泉寿々子 1903(明治36)年生まれ
「寿々子」は小泉八雲が、”Suzu”という発音そのものを好んだこと、さらに鈴の音も好きだったことから来ています。小泉八雲は、巫女の持つ鈴・社殿の鈴・猫の首輪として付けられた鈴・鈴虫の音と「鈴」と名のつくものは全て好んだそうです。