朝ドラ ばけばけ イライザ・ベルズランドのモデルはエリザベス・ビスランド
イライザ・ベルズランドとは
NHKの2025年後期朝ドラ「ばけばけ」に登場するシャーロット・ケイト・フォックスさん扮する、イライザ・ベルズランドとはレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)のアメリカでの勤め先である新聞社の同僚です。
イライザ・ベルズランドのモデルは、小泉八雲の死後に友人として1906(明治39)年に八雲の伝記「ラフカディオ・ヘルンの生涯と手紙」を発表したエリザベス・ビスランド(ウェットモア夫人)です。
ばけばけ イライザ・ベルズランドの役柄
朝ドラ「ばけばけ」に登場するイライザ・ベルズランドとはこのような人物です。
アメリカで活躍する女性記者でヘブンの同僚。聡明で、世界を飛び回る行動力を兼ね備えた“パーフェクトウーマン”。ヘブンに日本行きを勧める。
シャーロット・ケイト・フォックスさん プロフィール
1986年生まれ、米ニューメキシコ州出身。2014年、日本の渡航経験ゼロながら卓抜した演技力とコメディーセンスで、『マッサン』の主演・亀山エリー役を見事に務め、大好評を博す。
その後も、『京都人の密かな愉しみ』や、連続テレビ小説『べっぴんさん』、大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺』などで活躍。
エリザベス・ビスランドとはどんな人物だったのか
ラフカディオ・へルンとの出会い
エリザベス・ビスランドは、南北戦争のために破産したルイジアナ州の地主であったトマス・ビスランドの娘として、1861年2月11日に誕生。
当時のアメリカ社会の一部では女性が外で働くことはみっともないという保守的な価値観がまだ残ってはいたものの、エリザベスは家計を助けるために進んで新聞記者に。
記者として入社した新聞社が、ラフカディオ・へルン(のちの小泉八雲)が文芸部長だった、ニューオリンズの「タイムズ・デモクラット」紙でした。実際にエリザベスが進んでへルンと友人となったのは、へルンの文章を読んで感嘆を受けた1882(明治15)年の冬のことでした。
世界を飛び回る行動力を兼ね備えたエリザベス・ビスランド
朝ドラ「ばけばけ」ではイライザ・ベルズランドは「世界を飛び回る行動力を兼ね備えた」としていますが、実在のエリザベス・ビスランドも世界一周の取材旅行を試みています。
その時のエリザベス・ビスランドについて、東京帝国大学文科大学(現在の東京大学文学部)で小泉八雲に師事した、英文学者の田部隆次はこのように紹介しています。
その後ニューヨークに移って1889年11月「コスモポリタン雑誌」のために、外の雑誌社から出た今一人の婦人記者と世界一周の競争を試みたとき日本に立寄る事24時間であった。
大の日本びいきだったエリザベス・ビスランド
1891年10月にはチャールズ・ウエットモアと結婚。小泉八雲の死後、1906(明治39)年「ラフカディオ・へルンの生涯と手紙」を発表しますが、この編纂作業は小泉セツ(「ばけばけ」の松野トキのモデル)をはじめとした小泉八雲の遺族のためであったと言われています。
その後もエリザベスは夫ともに2度来日し、夫・チャールズが亡くなったのちも来日し、東京と松島に半年滞在。
田部隆次によるとエリザベスは大の日本びいきで、西大久保の小泉家で一緒に昼食をとった際には、刺身はもちろんのこと、漬物まで残らず食べていたと記録しています。
