朝ドラ ばけばけ 松野勘右衛門のモデル
松野勘右衛門(まつのかんえもん)とは
2025年後期NHK朝ドラ「ばけばけ」に登場する、小日向文世さん扮する松野勘右衛門(まつのかんえもん)とは、髙石あかりさん演じるヒロイン・松野トキの祖父です。
松野勘右衛門のモデルは実在した小泉セツの養祖父である、稲垣万右衛門(いながきまんえもん)(1818~1898年)であると考えられます。
ばけばけ 松野勘右衛門の役柄
幕末をたくましく生き抜いた生粋の武士。明治となり武士の時代は終わった・・・はずだが、いざという時に異国からこの国を守るのは自分だと信じ、髷(まげ)を結い、剣の稽古を続ける“ラストサムライ”。剣ではいかなる相手にも決して負けないという自負があるが、孫であるトキにはめっぽう弱い。
小日向文世さん プロフィール
1954年、北海道出身。NHKでは、連続テレビ小説『まんてん』『まれ』、『永遠のニシパ~北海道と名付けた男 松浦武四郎』『みをつくし料理帖』、大河ドラマ『新選組!』『風林火山』『平清盛』『真田丸』などに出演。プレミアムドラマ『70才、初めて産みますセブンティウイザン。』
稲垣万右衛門とはどんな人物だったのか
幕末の動乱期を生き抜いた侍
NHKは松野勘右衛門を「幕末をたくましく生き抜いた生粋の武士」と表現していますが、「八雲の妻 小泉セツの生涯」によると実在した稲垣万右衛門も、旧松江藩の藩士として古武士の雰囲気が漂った人物であったと言われています。
小泉セツが生まれたとき(1868年)には50才になったところです。稲垣万右衛門は黒船来航以来、日本国内が揺らいでいる中、隠岐警備、大坂の守衛、二条城や京都御所の警護などの任にあたった侍でした。
また松江藩主の「御子様方御番方」をつとめてきたこともあって大の子供好きでもあったため、小泉セツのことを「お嬢(おじょ)」と呼んで大変可愛がったと言われています。
明治時代には全く適応できなかった
しかし稲垣万右衛門は時代が変わっても武士であったことの誇りを忘れられません。そのため「文明開化」と言われた明治の世の中に全く適応できません。
すでに松江藩からの俸禄米や知行を得られないにも関わらず、決して外で働こうとせず、稲垣家の家計は、孫のセツと嫁のトミに任せきりでした。このためセツが松江に赴任したラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の住み込み女中となるまで、稲垣家は極度の貧困に喘ぐことになります。
晩年の稲垣万右衛門は「異人嫌い」であったにも関わらず、生活のために松江県立尋常中学校から熊本の第五高等学校に赴任するラフカディオ・ハーンとセツの夫婦について行くことになります。