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「班長殿」の意味と軍隊の内務班について
兵たちが使う「班長殿」とは神野班長のこと
NHKの朝ドラ「あんぱん」第11週「軍隊は大きらい、だけど」では、「班長殿(はんちょうどの)」というセリフがよく聞かれるようになります。
「班長殿」とは、柳井崇(北村匠海)のようなの兵が、神野(かみの)班長のことを敬って呼ぶときに使う言葉です。
内務班を統括する「班長殿」
「班長殿」とは呼んで字のごとく、「班」の「長」のことです。ただし「あんぱん」第11週のドラマにおける「班」ととは内務班のことを意味します。
内務班とは下士官・兵が陸軍に入隊したのち生活をするときの単位です。当時、徴兵された新兵は、初年兵として中隊の内務班に所属し、下士官や古年次兵(古兵)たちから軍隊生活や戦闘のイロハを教えられます。
内務班での生活は現代風に言えば職場における一種のOJT(= On the Job Training)のようなものでしょう。しかし実際には「OJT」と言って軽く流せないほど、内務班の生活は初年兵たちにとって過酷だったようです。
当時の内務班がいかに過酷で理不尽なものであったか、仲代達矢さんが主演された映画「人間の條件 第3部」で描かれています。
営内で内務班を統括する「班長殿」という存在は、多くの初年兵にとって畏怖される存在であったと考えられます。
戦闘単位としての「班」もある
なお旧日本陸軍で「班長殿」という場合、戦闘単位としての班のリーダーを指す場合もあります。当時の陸軍では戦闘の単位として「小隊→分隊→班」という序列があり、班は伍長クラスの下士官が指揮する数名程度のグループのことを言います。
しかし朝ドラ「あんぱん」第11週では主に軍隊での内務班の生活が描かれます。よって柳井崇のような兵たちが「班長殿」とかしこまって呼ぶのは、内務班の班長として敬意を表するための言い方と考えて良いでしょう。
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