髙石あかりさんと英語
朝ドラ ばけばけで松野トキ役の髙石あかりさん
NHKの2025年後期朝ドラ「ばけばけ」でヒロイン・松野トキ役をつとめる髙石あかりさんの英語力とはどれぐらいのものでしょうか?さらに朝ドラ「ばけばけ」のドラマの中で、髙石あかりさんが英語を話すことがあるのかどうか考えてみました。
髙石あかりさんの主な活躍は日本国内
まず髙石あかりさんが所属しているavex managementのWebサイトで、髙石あかりさんの紹介ページを確認してみましょう。
経歴を確認すると髙石あかりさんは2002年宮崎県生まれの俳優です。映画・テレビ・ドラマ・CMのいずれを取っても日本国内を中心とした活躍です。俳優として話す言葉は日本語が中心で、英語や英語力はさほど必要しなかったと推測されます。
小泉セツの英語 小泉八雲の「へルンさん言葉」
小泉八雲との正確なコミュニケーションには英語が必須だった
では朝ドラ「ばけばけ」で松野トキを演じる上で、髙石あかりさんは英語や英語力が必要になるのでしょうか?
松野トキは明治時代の小説家・小泉八雲の妻である小泉セツがモデルです。「小泉八雲」とは1891(明治24)年に小泉セツと結婚したのち、1896(明治29)年に日本国籍を取得したときに改名した名前です。元々、イギリス国籍で「ラフカディオ・ハーン」と名乗っていました。
そのため小泉八雲と正確にコミュニケーションをするためには、日本語よりも英語が必要でした。
小泉八雲から英語の教授を受けた小泉セツ
小泉セツは小泉八雲と結婚する前の住み込み女中の時代から、正確なコミュニケーションをするためには英語の習得が必要であったと認識していました。
そこで結婚したあと、小泉八雲から28回にわたって英語の教授を受けていたようです。「八雲の妻 小泉セツの生涯」によると、小泉セツの努力の様子が窺い知れます。
セツがいかに健気に努力したかは、現在に伝えられる二冊の「英語覚え書帳」に知ることができる。セツは聴き取った英語の音を出雲訛の日本語で表わし、その意味を添えているのである。例えば、「トーマル…明日、トーナエタ…今晩、シペーキ…言、シレーペー…ねむた江、ワエン…酒、ドー・ユー・ウェシ・トー・エタ…あなた食べ度か」のように。
長谷川洋二「八雲の妻 小泉セツの生涯」今井書店 161ページ
英語ではなく「へルンさん言葉」の方がものになった
しかし小泉セツの英語学習にかける努力は実らず、英会話をものにすることはできなかったようです。むしろものになったのは「小泉セツの英語」より「小泉八雲の日本語」の方でしょう。
小泉八雲は系統だった日本語学習はしませんでした。それでも日本語の単語や慣用句を覚え、動詞と形容詞の活用変化なしにして、語順も和英折衷にして意味を通じさせようとします。
この独特の日本語表現は「へルンさん言葉」と言われるもので、小泉セツとの2人だけの会話において大いに役立ったようでした。
「ばけばけ」では髙石あかりさんに英語は必要とされないかも
さて冒頭の「髙石あかりさんは英語が話せるのか?」「ばけばけの中で英語を話すシーンがあるか?」という話題に戻りましょう。
モデルとなった小泉セツは英語が習得しきれなかったことを考えると、髙石あかりさんは朝ドラ「ばけばけ」の撮影のために、英語を習得済みであるとか英語力が抜群であるということは必要なさそうです。
ただ髙石あかりさんは2002年生まれで、俳優としてのキャリアの可能性は無限大です。朝ドラ「ばけばけ」では必要とされなくても英語力を磨いておいけば、キャリアが日本だけでなくアジアや世界に広がるでしょう。