朝ドラ ばけばけ 島根県知事・江藤のモデル
島根県知事・江藤とは
2025年後期NHK朝ドラ「ばけばけ」に登場する、佐野史郎さん扮する江藤(えとう)とは、のちに松野トキ(髙石あかり)と結婚する、ヘブン(トミー・バストウ)を島根県の英語教師に招く島根県知事です。
島根県知事・江藤のモデルは、1885(明治18)年から1891(明治24)年の間に島根県知事であった籠手田安定(こてだやすさだ)(1840〜1899年)です。
ばけばけ 島根県知事・江藤の役柄
島根をこよなく愛し、島根を日本が誇る一流の県へ押し上げようと情熱を燃やす知事。これからの時代を担う若者たちには英語教育の充実が不可欠だと考え、本場の外国人教師を求めていた。県の未来を切り開くべく、ヘブンを島根に招く。
佐野史郎さん プロフィール
1955年生まれ、島根県出身。NHKでは、『独眼竜政宗』『翔ぶが如く』『花の乱』『私が愛したウルトラセブン』『一路』など多くの作品に出演。『西郷どん』では、彦根藩15代藩主・井伊直弼役を演じる。
籠手田安定とはどんな人物だったのか
英語教師としてのラフカディオ・ハーンを招聘
NHKは「ばけばけ」における島根県知事・江藤の役柄として、「県の未来を切り開くべく、ヘブンを島根に招く。」と説明しています。
島根県の資料(PDFファイル)によると、史実として実在した籠手田安定はラフカディオ・ハーン(のちの小泉八雲)を島根県に招聘し、当時の島根県立尋常中学校(現在の島根県立松江北高等学校)の英語教師として契約を交わした人物であると説明しています。
島根県で貧困化した旧士族の問題に取り組む
「八雲の妻 小泉セツの生涯」では島根県知事としての籠手田安定は、小泉セツの実家である小泉家や養家である稲垣家が貧しさの極みに達していたように、当時社会問題化していた旧士族の貧困について専門委員会を設けて諮問をしていたエピソードを紹介しています。
それによると、松江市及び近村に居住する士族のうち、五十八戸、二百四十人が「乞食するもの」であり、ほかに、三百六戸、千百十三人が「在籍無住にして詳らかならざるもの」であった。「自活の目途なきもの」の割合や、「乞食するもの」の数は、セツとハーンが出会う明治二十四年の初めの頃までには、当然ながら増えていたであろう。
長谷川洋二「八雲の妻 小泉セツの生涯」今井書店 71ページより