銀二郎とトキの結婚生活はすぐに破綻
ばけばけ 第2週 銀二郎とトキが結婚
NHKの朝ドラ「ばけばけ」で寛一郎さん演じる山根銀二郎は、第2週で松野トキ(髙石あかり)とお見合いをしたのち結婚します。正確にいうと銀二郎が松野家に婿入りするという形で、名前も松野銀二郎と改められます。
働き者で怪談話にも興味がある銀二郎は、トキにとってまさにぴったりの相手。松野家は司之介(岡部たかし)が作った多額の借金を背負っており、トキはお話好きで特に怪談話に興味津々だからです。
ばけばけ 第3週 銀二郎は東京に出奔
しかし銀二郎とトキの結婚生活は長くは続きません。
松野家の家計を支えるために、なりふり構わず遊郭の客引きまでになって働く姿は、かえって銀二郎の義理の祖父にあたる松野勘右衛門(小日向文世)にとって武士の体面を傷つけ、癇に障るものでした。
小さな長屋の中で対立する松野家の男性たち。結局、考え方の合わない義理の祖父や父と一緒に暮らすことに疲れた銀二郎は、一人で東京に出奔することに(「ばけばけ」第3週)。
ばけばけ 第4週 銀二郎とトキは「離婚」
第4週でトキは銀二郎を松江へ連れ戻すべく上京。銀二郎が住む東京・本郷町の下宿屋にたどり着くことができました。
しかし銀二郎の回答は「トキと2人だけで暮らすなら復縁する」というもの。親孝行なトキにとっては受け入れることはできない条件で、トキは銀二郎の説得に失敗。
トキと銀二郎の結婚生活は破綻が確定し、2人は実質的に離婚を経験することになります。
前田為二と小泉セツの結婚と離婚
1886(明治18)年 前田為二と小泉セツが結婚
「ばけばけ」の銀二郎とトキの結婚は、モデルとなった前田為二と小泉セツの結婚をモデルにしていると考えられます。
1886(明治18)年、前田為二が小泉セツの養家である稲垣家の養嗣子になる、つまり婿入りするという形で2人は結婚します。
為二とトキの新婚生活はすぐに破綻
しかし為二とセツの結婚生活は1年を待たずして破綻。
為二自身は働き者で、なおかつ為二とセツの個人的な関係も良かったものの、義理の養祖父・稲垣万右衛門や養父・稲垣金十郎との折り合いがつけられなかったようです。
その理由は前田為二が足軽身分の出身で、稲垣家は上級武士の出身だったことに起因しますが、男性同士で仲が悪かったことについては、ドラマと同じです。
1887(明治19)年 為二とセツは実質的に離婚を経験
「ばけばけ」の銀二郎は東京に出奔しますが、実在の前田為二は1887(明治20)年に大阪に出奔。
小泉セツは、トキと同じく為二を松江に連れ戻すために、なけなしのお金をはたいて大阪まで出向きますが、説得に失敗。トキと同じく、小泉セツも小泉八雲と結婚する前に、離婚を経験することになります。
1890(明治23)年 為二とトキの離婚が法的に成立
前田為二と小泉セツが実質上の離婚を経験するのは1887(明治20)年ですが、法律上、正式に離婚が成立するのは、1890(明治23)年です。
「ばけばけ」の第13週では銀二郎が東京での事業に成功し、トキとよりを戻そうと松江に戻ってくるシーンがあります。この場面の年代は1891(明治24)年ごろを想定しています。
史実において前田為二が小泉セツとよりを戻そうとしたかどうかは分かりません。
ですが「ばけばけ」の第13週で銀二郎が復縁を願っているという話は、実際の前田為二と小泉セツの離婚にはタイムラグがあったことを考慮して創作されたエピソードであるのかもしれません。
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前田為二と小泉セツ 離婚に至った背景
個人的には仲が良かったはずの前田為二と小泉セツが、わずか1年で離婚をすることになった理由については下記の記事を参考にしてください。
