やなせたかしさんと辻信太郎さんの関係
朝ドラ「あんぱん」八木信之介 一部のモデルは「新屋敷上等兵」
NHKの2025年前期朝ドラ「あんぱん」で妻夫木聡さん扮する八木信之介という登場人物のモデルは、小倉の重砲野戦連隊に所属していた新屋敷上等兵と、株式会社サンリオの創業者である辻信太郎さんです。
朝ドラ「あんぱん」の第10週「生きろ」の50話から登場した小倉連隊の上等兵・八木信之介は、やなせたかしさんが軍隊で所属していた時の戦友である新屋敷上等兵をモデルとしています。
朝ドラ「あんぱん」八木信之介 一部のモデルはサンリオ創業者・辻信太郎さん
一方、「あんぱん」の後半で登場する八木信之介は、サンリオがまだ「山梨シルクセンター」という名前の会社であった頃の、辻信太郎さんをモデルにしていると考えられます。
辻信太郎さんとやなせたかしさんは初めて出会いは1960年代です。取引銀行も自社の従業員に大反対されたにも関わらず、当時の山梨シルクセンターは、やなせたかしさんの詩集「愛する歌」を出版します。
八木信之介のキーワードは「軍隊」と「詩」
NHKは朝ドラ「あんぱん」で登場する八木信之介として登場する妻夫木聡さんの役柄をこのように説明しています。
妻夫木さんに演じていただく八木信之介役は、戦地で嵩と出会い、戦後も長きに渡ってのぶと嵩に大きな影響を与えていくことになる人物です。厳しくもありながら、詩や文学を愛する一面も持ち、人間の本質と時代の流れを見抜き、嵩の詩を書く才能にも気付いて大きな流れを作っていくようになります。
戦後に柳井崇(北村匠海)と再会する八木信之介が、辻信太郎さんのモデルを担っていると言えるでしょう。
「みんななかよく」の企業理念に込めた平和への思い
辻信太郎さんの戦争体験
2025年6月6日金曜日にNHKのNHK NEWS WEBは「みんななかよく」サンリオ創業者 戦争体験と平和への思いという記事を公開しています。
NHKが「キティちゃん」を代表とする可愛らしいキャラクターに込めた辻さんの思いをインタビューした記事ですが、この記事によると辻信太郎さんは、1945(昭和20)年7月6日に故郷の甲府でアメリカ軍の空襲を経験したそうです。
このとき辻さんは群馬の工業専門学校の学生でした。このことから朝ドラ「あんぱん」の八木信之介の前半における設定は「上等兵」ですから、戦後に登場する部分が辻さんをモデルとしていると言えるでしょう。
「キティちゃん」と「アンパンマン」
NHK NEWS WEBの記事では、株式会社サンリオは「みんななかよく」の理念の下、戦争をしてはならないという辻信太郎さんの平和への思いを強調しています。
やなせたかしさんも自身の軍隊経験から「アンパンマン」を誕生させました。朝ドラ「あんぱん」で2人がモデルとなった柳井崇と八木信之介が登場することは、ある意味必然の流れであるのかもしれません。
