朝ドラ ばけばけの小谷春夫について
小谷春夫とは
2025年9月29日から放送が始まるNHKの朝ドラ「ばけばけ」にキャストされた、下川恭平さん演じる小谷春夫(こたにはるお)は、小泉八雲をモデルとしているレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)が英語教師として赴任する松江中学の生徒です。
この小谷春夫とは、小泉八雲が島根県尋常中学校(現在の島根県立松江北高等学校)の英語教師として赴任したときの教え子であった、英文学者の大谷正信(おおたにまさのぶ)と、陸軍大佐であった藤崎八三郎(ふじさきはちさぶろう)であると考えられます。
ばけばけ 小谷春夫の役柄
ヘブンの教え子。純粋で素直な好青年だが、それゆえ思い込みが激しい一面も。
下川恭平さん プロフィール
2004年生まれ、北海道出身。NHKでは大河ドラマ「おんな城主 直虎」などに出演。連続テレビ小説は初出演
大谷正信と小泉八雲
大谷正信 プロフィール
1875(明治8)年、島根県松江市末次本町で誕生。島根県尋常中学校時代に英語教師として赴任した小泉八雲から信任を得る。
1896(明治29)年に東京帝国大学文科大学英文科に入学し、同大学の講師であった八雲と再会を果たす。
1922(大正13)年に旧制広島高等学校(現在の広島大学)に赴任して教鞭を取るかたわら、同じく八雲の教え子であった落合貞三郎とともに、「小泉八雲全集」の翻訳・編集に従事する。
なお大谷正信には俳人としての顔もあり、大谷繞石(おおたにぎょうせき)と称することもあった。
小泉八雲の作品に貢献した大谷正信
小泉八雲が小説家として日本時代に書いた作品の中には大谷正信が材料を提供した作品があります。
例えば1898(明治31)年にリトル・ブラウン社から出版された「異国情緒と回顧」では、小泉八雲は大谷正信に課して、富士山と神道の関係を調べさせたり、さらには蛙に関する歌や俳句を集めさせています。
藤崎八三郎と小泉八雲
藤崎八三郎 プロフィール
島根県尋常中学校に在学していたときの名前は旧姓の小豆沢(あずきさわ)八三郎。この旧制中学時代に英語教師として赴任しきた小泉八雲と出会う。
1895(明治28)年9月に、熊本の第五高等学校に入学するも、すでに志願兵として陸軍に入営していたため、翌年3月には退学。以後は職業軍人の道を歩む。この時に藤崎家に養子に入り、藤崎八三郎を名乗る。
藤崎八三郎と小泉八雲のエピソード
小泉八雲の弟子で英文学者・田部隆次が著作の「小泉八雲 ラフカディオ・へルン」によると、1897(明治30)年、陸軍の士官候補生であった藤崎八三郎は、焼津に遊びに来ていた小泉八雲と一緒に汽車で御殿場まで行き、そこから富士登山をしたことが伝えられています。
また小泉八雲は1904(明治37)年9月26日に狭心症で亡くなりますが、その直前に満洲軍総司令部で大尉として勤務していた藤崎八三郎に手紙を書いており、この手紙こそが小泉八雲の絶筆となっています。
ばけばけ 松江中学の生徒たち
錦織丈 モデル
正木清一 モデル
