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大関和の離婚と再婚について 渡辺福之進豊綱と木下尚江

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渡辺福之進豊綱との離婚

離婚歴がある大関和さん

NHKの2026年前期朝ドラ「風、薫る」の主人公の1人である一ノ瀬りん(見上愛)のモデルとなった大関和(おおぜきちか)さんには結婚と離婚をした経歴がありますが、再婚をした経歴はありません。

ただ大関和さんは大変な器量良しとされ、決して再婚話がなかったわけではありません。再婚寸前までいって結局破談になったという過去があります。

結婚相手の渡辺福之進豊綱とは4年で離婚

大関和さんの結婚相手とは1876(明治9)年、18才のときに結婚した渡辺福之進豊綱です。

渡辺福之進豊綱は、黒羽藩の元・士族で戊辰戦争中の功績により物頭(ものがしら)に出世し、藩での立場は大関和さんの父・大関弾右衛門よりも上位に立っていました。

その後渡辺福之進豊綱は明治政府の軍人として熊本鎮台や広島鎮台に勤務し、陸軍少尉まで昇進し退官。

黒羽では名士で通った渡辺福之進豊綱ですが、大関和さんにすれば複数の妾を持つ得体の知れない夫でした。妾の存在を許せない大関和さんは1880(明治13)年に長女・を出産したのちに渡辺福之進豊綱との離婚を決意。

このときから一家5人(母・、妹・、長男・六郎、長女・心)で東京で暮らすことになります。

木下尚江との再婚話を流した大関和

社会運動家: 木下尚江との出会い

美人の誉れが高かった大関和さんは、トレインドナースになったのちの職場である帝国大学医科大学附属第一医院(現在の東京大学医学部附属病院)で男性医師から見初められることもありました。

しかしクリスチャンでもあった大関和さんの心を動かしたのは、1891(明治24)年に新潟県高田の地で出会った木下尚江(1869~1937年)でした。

木下尚江は田中正造足尾銅山鉱毒事件問題や普通選挙運動に取り組み、さらには平民新聞の幸徳秋水たちとともに日露戦争に反対の立場を取った社会運動家でした。

当時、木下尚江はキリスト教に興味を持っており、高田で行われていた廃娼活動を通じて大関和さんと知り合うことになります。

木下尚江が大関和との結婚の意志を固める

やがて大関和さんは高田を去り、東京に戻りますが、2人は文通を重ねていました。そんな2人の関係に転機が訪れたのは、1898(明治31)年のことです。

1897(明治30)年、木下尚江は普通選挙実現のための活動に従事しており、そのことがきっかけで恐喝詐欺の疑いをかけられて起訴されます。

翌年には重禁錮8ヶ月、罰金10円の判決を受けますが、木下は判決を不服として控訴。そのため東京の鍛治橋にある監獄に未決囚として収監されていました。

大関和さんは、木下が監獄に収監されていることに義憤を感じて、すぐに面会に駆けつけます。やつれた木下の姿に同情した大関和さんは頻繁に慰問に訪れることになります。

木下もいつしかその慰問を心待ちにするようになり、やがて結婚の意志を固めるようになります。

相馬愛蔵が大関和との再婚に反対

1898(明治31)年12月、木下尚江は無罪が確定し出獄。故郷の信州に戻って、同じ中学校の後輩であった相馬愛蔵(そうまあいぞう)に大関和さんと結婚したいという話を切り出します。しかし相馬愛蔵はこの結婚話に猛反対。

なぜなら相馬愛蔵は、大関和さんが知らなかった木下尚江の「よろしくない行状」を知っていたからです。その「よろしくない行状」とは、木下には廃娼運動に参加しながら遊女を囲っていたり、恋愛の対象となる女性が何人もいたことです。

相馬愛蔵には、木下尚江が純粋な性格の持ち主である大関和さんと結婚をすれば、木下が大関さんを傷つけるとという不安がありました。

相馬愛蔵は木下に結婚を申し込むことを諦めるように必死に説得。説得を受けた木下尚江は深い失望感に襲われながらも、相馬愛蔵の懸念を受け入れ、大関和さんとの結婚をきっぱり諦めます。

大関和さんは再婚をしなかった

この頃、大関和さんは巷で横行していた悪質な派出看護婦会を抑えるために内務省衛生局に取締の陳情をしたり、良質な看護婦を育成するべく「東京看護婦会講習所」の講師として「派出看護心得」という本を執筆したりするなど、多忙な日々を過ごしていました。

そのためいつまでも木下尚江との付き合いを続ける余裕はなかったのです。結局、大関和さんは木下尚江と再婚することはなく、シングルマザーを貫くことになります。

大関和の離婚と再婚 関連記事と参考文献

大関和の離婚と再婚 関連記事

大関和さんの結婚や再婚寸前まで話が進んだ相手の木下尚江については下記の記事でそれぞれ言及しています。

大関和の離婚と再婚 参考文献

今回の記事を書くにあたって以下の2冊の本を参考にしています。これらのうち「明治のナイチンゲール 大関和物語」は朝ドラ「風、薫る」の原案にもなっています。

著:田中ひかる
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