朝ドラ「ブラッサム」で杉田かおるさんが演じる木村浪江(きむらなみえ)。
木村浪江は、札幌の銀行に勤める木村正吾(三宅弘城)の妻で、NHKから「良妻賢母の女性」と紹介されています。
モデルは公表されていませんが、主人公・葉野珠(石橋静河)のモデルである、宇野千代(1897~1996年)が札幌へ移住した際に身を寄せた「分家の伯父」の妻、つまり宇野千代が「伯母」と呼んだ女性の可能性があります。
この記事では、木村浪江の役どころやモデルと考えられる札幌の伯母、宇野千代に見せた「13年間履いた足袋」のエピソードなどを詳しく解説します。
▼要点まとめ
・木村浪江(杉田かおる)は木村正吾(三宅弘城)の妻
・NHKでは夫を支える「良妻賢母の女性」と紹介
・珠(石橋静河)が作家への道を切り開く北海道編で登場
・モデルは宇野千代が札幌で世話になった伯母の可能性がある
・伯母は宇野千代に13年間履き続けた足袋を見せた
・宇野千代も札幌時代(1920~1921年)には仕立物の内職に励んでいた
→ ブラッサム 木村正吾(三宅弘城)とは?
→ 青年期の葉野珠(石橋静河)とは?
→ 宇野千代とは?
結論|木村浪江とは?
木村浪江(杉田かおる)は、朝ドラ「ブラッサム」の北海道編に登場する木村正吾(三宅弘城)の妻です。
NHKでは「銀行員である夫・正吾を支える良妻賢母の女性」と紹介されています。
モデルは公表されていませんが、主人公・葉野珠(石橋静河)のモデルである、宇野千代(1897~1996年)が1920(大正9)年に札幌へ移住した際、最初に身を寄せた「分家の伯父」の妻がモデルになっている可能性があります。
宇野千代は自伝の「生きて行く私」で、この伯母から13年間捨てることなく履き続けた足袋を見せられ、その倹約ぶりに強い印象を受けたことを回想しています。
木村浪江の「夫を支える良妻賢母」という人物像にも、この札幌の伯母の要素が取り入れられているのかもしれません。
→ ブラッサム 木村正吾(三宅弘城)とは?
→ 青年期の葉野珠(石橋静河)とは?
→ 宇野千代とは?
木村浪江の役どころ
木村正吾の妻
木村浪江は、札幌で暮らす木村正吾の妻です。
NHKでは、
「銀行員である夫・正吾を支える良妻賢母の女性。」
と紹介されています。
夫の正吾は木村家の親戚で、木村保(金子大地)の母・木村照子(山田真歩)の従兄にあたります。
正吾が札幌の銀行に勤めていることから、浪江も夫とともに札幌で生活しています。
→ ブラッサム 木村正吾(三宅弘城)とは?
→ ブラッサム 木村保(金子大地)とは?
→ ブラッサム 木村照子(山田真歩)とは?
夫・正吾を支える良妻賢母
木村浪江の人物設定で特に重要なのが「良妻賢母」という言葉です。
NHKは単に「木村正吾の妻」とするのではなく、「銀行員である夫・正吾を支える良妻賢母の女性」と人物像まで説明しています。
明治から大正時代にかけて「良妻賢母」は、家庭を守り、夫を支え、子供を育てる女性像を表す言葉として広まりました。
浪江も、札幌で働く正吾を家庭から支える女性として描かれるのでしょう。
珠の北海道生活に関わる
NHKは木村正吾・浪江夫妻について、「主人公・葉野珠が作家としての道を切り開くきっかけとなる北海道で出会う夫婦」と紹介しています。
宇野千代は札幌で暮らしていた1921(大正10)年、小説「脂粉の顔」を時事新報の懸賞小説へ応募し、一等に選ばれています。
ドラマでも正吾・浪江夫妻との出会いや北海道での生活を通じて、珠が文学へ向かっていくことになりそうです。
木村浪江を演じる杉田かおるさん
ブラッサム 木村浪江役 杉田かおる
木村浪江を演じるのは杉田かおるさんです。
杉田かおるさんにとって「ブラッサム」がNHK連続テレビ小説への初出演となります。
北海道編で三宅弘城さん演じる木村正吾と夫婦役を演じます。
杉田かおるさん コメント
杉田かおるさんは「ブラッサム」への出演について、
「亡き母が大ファンだった宇野千代さんをモデルにしたドラマで連続テレビ小説初出演という事も重なって、撮影初日にとても緊張していた」
とコメントしています。
また主演の石橋静河さんや共演者、スタッフについても触れ、
「学ぶ事も多かった感激の朝ドラ初体験でした!」
と語っています。
杉田かおるさんが、正吾を支える浪江をどのように演じるのかにも注目です。
木村浪江のモデルは宇野千代の伯母か
木村浪江は「ブラッサム」のオリジナルキャラクターで、現時点でNHKはモデルを公表していません。
しかし宇野千代の札幌時代をたどると、浪江に近い立場の女性として、宇野千代が「伯母」と呼んでいた女性が登場します。
この伯母は、北海道で事業に成功した「分家の伯父」の妻でした。
共通点① 札幌で暮らす親族の妻
「宇野千代全集 第12巻」に収録されている年譜によると、1920(大正9)年3月、宇野千代の夫・藤村忠は東京帝国大学法学部(現在の東京大学法学部)を卒業し、北海道拓殖銀行に就職。札幌支店に赴任しました。
同年9月、宇野千代も藤村忠とともに札幌へ移ります。
札幌へ到着した千代夫妻が最初に身を寄せたのが、「北海道で成功した分家の伯父」の邸宅でした。
年譜では伯父の邸宅は札幌南三条にあり、千代夫妻は半月ほど寄寓したとされています。
木村浪江も札幌で暮らす親族・木村正吾の妻です。
夫の正吾が「分家の伯父」をモデルにした人物だとすれば、その妻である浪江には「分家の伯父の妻」の要素が取り入れられている可能性があります。
→ 藤村忠とは?宇野千代の2番目の夫
→ ブラッサム 木村正吾(三宅弘城)とは?
共通点② 主人公夫妻を札幌で迎える夫婦
史実では宇野千代と藤村忠が札幌へ移住すると、最初に分家の伯父夫妻のもとへ身を寄せました。
その後、千代夫妻は南一条通りの裏手で間借り生活を始め、さらに北一条東一丁目十二番地に古い家を購入して転居。
つまり伯父夫妻は、宇野千代が初めて札幌で生活する際に関わった親族でした。
「ブラッサム」でも正吾・浪江は、珠が北海道で出会う夫婦として登場します。
この「北海道へやってきた主人公夫妻を迎える親族夫婦」という構図は、宇野千代の札幌時代とよく似ています。
共通点③ 家庭を支える女性
NHKは浪江を「銀行員である夫・正吾を支える良妻賢母の女性」と紹介しています。
一方、「生きて行く私」に登場する札幌の伯母も、夫とともに家庭の財産を築いた女性として描かれています。
宇野千代が特に印象深く回想しているのが、伯母から見せられた一足の足袋でした。
宇野千代の伯母が見せた「13年間履いた足袋」
伯母が宇野千代に見せた足袋
宇野千代は「生きて行く私」の中で、札幌の伯母から一足の足袋を見せられたことを回想しています。
伯母は宇野千代に、
「千代さん、これが私の足袋ですよ。よく見てごらんなさい。私はこの足袋を、十三年も穿いていたんですよ」
宇野千代 生きて行く私 (角川文庫) No.1045
と語りました。
13年間使われた足袋でしたが、汚れたまま放置されたものではありません。
何度も洗い、指先や鼻緒の当たる部分、足袋の底まで白い糸で丁寧に繕われていました。
宇野千代は、その足袋を「美しい」と感じたと回想しています。
伯母はなぜ足袋を見せたのか
宇野千代は、伯母がなぜ自分に足袋を見せたのかをすぐに理解したと記しています。
伯母は伯父と結婚してから長い年月をかけて、物を大切に使いながら生活を築いてきました。
13年間繕い続けた足袋は、単なる古い衣類ではありません。
宇野千代は、こうした日々の積み重ねこそが伯父夫妻の財産につながったのだと受け止めました。
伯母は言葉で倹約を説くのではなく、自分が長年使ってきた足袋を見せることで、家庭を築いていく姿勢を若い宇野千代に伝えたのでしょう。
木村浪江の「良妻賢母」と重なる?
この伯母の人物像は、NHKが木村浪江について説明する「夫・正吾を支える良妻賢母の女性」という設定とも重なります。
もちろん「良妻賢母」という設定だけで、浪江のモデルがこの伯母だと断定することはできません。
しかし、
・札幌で暮らす親族の妻
・夫とともに生活基盤を築いている
・若い宇野千代夫妻を迎える
・家庭を支える女性として描かれている
といった共通点があります。
木村浪江には、宇野千代が札幌時代に接した伯母の人物像が反映されている可能性があります。
伯母は宇野千代の札幌生活にも影響を与えた?
札幌の伯母が宇野千代に与えた影響を考えるうえで興味深いのが、宇野千代自身も札幌で仕立物の内職に励んでいたことです。
宇野千代も仕立物の内職に励んだ
「宇野千代全集 第12巻」の年譜には、1920(大正9)年の札幌生活について、
千代は仕立物の内職に精を出した
宇野千代 宇野千代全集 第12巻 随筆 中央公論新社 272ページ
と記されています。
夫・藤村忠は東京帝国大学法学部を卒業したのち、北海道拓殖銀行札幌支店に勤務。
それでも宇野千代は家庭にいるだけではなく、自ら仕立物をして収入を得ていました。
伯母から13年間履き続けた足袋を見せられ、日々の積み重ねによって家庭の財産が築かれたことを強く意識した宇野千代。
その後、自らも仕立物の内職に励んだことを考えると、伯母の生き方から何らかの影響を受けた可能性も考えられます。
ただし宇野千代自身が「伯母の影響で仕立物を始めた」と明記しているわけではないため、直接的な因果関係を断定することはできません。
「自伝的恋愛論」にも仕立物をする妻が登場
さらに「宇野千代全集 第12巻」に収録されている「自伝的恋愛論」には、札幌時代の宇野千代自身を思わせる女性が登場します。
その女性は、毎月決まって何十円もの給料を得る「学士様の妻」でありながら、仕立物の内職に励んでいます。
これは、
・夫・藤村忠が東京帝国大学卒業の銀行員だった
・宇野千代自身が札幌で仕立物の内職をしていた
という史実と重なります。
「自伝的恋愛論」に描かれた「学士様の妻でありながら仕立物の内職をする女性」は、宇野千代自身の札幌時代の経験を反映した人物と考えられます。
伯母の足袋のエピソードとあわせて考えると、宇野千代にとって札幌時代は「家庭を支える女性の生き方」を強く意識した時期だったのかもしれません。
木村浪江と札幌の伯母を比較
木村浪江と宇野千代が札幌で接した伯母を比較すると、次のようになります。
| 木村浪江の設定 | 史実の札幌の伯母 |
|---|---|
| 木村正吾の妻 | 分家の伯父の妻 |
| 札幌で暮らす | 札幌南三条の邸宅で暮らす |
| 北海道へ来た珠と関わる | 札幌へ来た宇野千代夫妻を迎える |
| 夫を支える良妻賢母 | 伯父とともに長年かけて財産を築く |
| 家庭を支える女性 | 物を大切に使う堅実な生活を送る |
こうして比較すると、木村浪江と札幌の伯母には、立場や人物像にいくつかの共通点があります。
特に夫・木村正吾が「北海道で成功した分家の伯父」を中心に、藤村忠の銀行員という要素を組み合わせた人物だとすれば、その妻・浪江に伯父の妻である「札幌の伯母」の要素が取り入れられていても不自然ではありません。
今後の放送では、浪江が珠にどのような言葉をかけ、どのような生活ぶりを見せるのかにも注目です。
→ ブラッサム 木村正吾(三宅弘城)とは?
→ 藤村忠とは?宇野千代の2番目の夫
よくある質問(FAQ)
Q. 木村浪江とはどんな人物ですか?
A. 木村浪江は朝ドラ「ブラッサム」の北海道編に登場する木村正吾の妻です。NHKでは「銀行員である夫・正吾を支える良妻賢母の女性」と紹介されています。
Q. 木村浪江のモデルは誰ですか?
A. NHKはモデルを公表していませんが、宇野千代夫妻が1920年に札幌へ移住した際に身を寄せた「分家の伯父」の妻がモデル候補と考えられます。
Q. 宇野千代の伯母とはどんな人物ですか?
A. 北海道で事業に成功した分家の伯父の妻です。「生きて行く私」では、13年間繕いながら履き続けた足袋を宇野千代に見せた女性として登場します。
Q. 宇野千代は札幌で何をしていましたか?
A. 夫・藤村忠と札幌で生活しながら、仕立物の内職に励みました。また小説「脂粉の顔」を時事新報の懸賞小説へ応募し、一等に選ばれています。
Q. 木村浪江を演じる俳優は誰ですか?
A. 木村浪江を演じるのは杉田かおるさんです。「ブラッサム」が初めてのNHK連続テレビ小説出演となります。
まとめ
木村浪江は、朝ドラ「ブラッサム」の北海道編に登場する木村正吾の妻です。
札幌の銀行に勤める正吾を支える「良妻賢母の女性」として、珠の人生の転機となる北海道編に登場します。
現時点でNHKは木村浪江のモデルを公表していません。
しかし、
・札幌で暮らす親族の妻
・北海道へやってきた主人公夫妻と関わる
・夫を支えながら家庭を築く女性
といった点から、宇野千代夫妻を札幌で迎えた「分家の伯父」の妻がモデルになっている可能性があります。
「生きて行く私」では、この伯母が宇野千代に13年間履き続けた足袋を見せた印象的なエピソードが描かれています。
宇野千代は、その足袋から伯父夫妻が長い年月をかけて財産を築いてきたことを理解しました。
さらに宇野千代自身も札幌時代には仕立物の内職に励んでおり、後年の「自伝的恋愛論」にも仕立物をする妻が登場します。
伯母の生き方が宇野千代の札幌生活に直接影響したとは断定できませんが、宇野千代に強い印象を残した女性だったことは確かでしょう。
今後の「ブラッサム」では、木村浪江が珠の北海道生活や作家への第一歩にどのような影響を与えるのかにも注目です。
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ブラッサム モデル一覧
「ブラッサム」に登場する人物と実在モデルの対応関係を紹介しています。
木村正吾とは?
木村正吾は木村浪江の夫で、札幌の銀行に勤める実直な人物です。
モデルは宇野千代夫妻を札幌で迎えた「分家の伯父」を中心に、北海道拓殖銀行札幌支店に勤務した藤村忠の要素を組み合わせた人物の可能性があります。
木村保とは?
木村保は葉野珠の従兄で、木村照子の次男です。
→ ブラッサム 木村保(金子大地)とは?
→ ブラッサム 保(金子大地)の結婚相手とは?
木村照子とは?
木村照子は木村保の母で、木村正吾とは従兄弟の関係にあります。
葉野珠とは?
葉野珠は「ブラッサム」の主人公で、小説家・実業家・着物デザイナーとして活躍した宇野千代をモデルにした人物です。
→ ブラッサム 主人公・葉野珠とは? モデルは宇野千代
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参考文献
今回の記事は以下の書籍を参考としています。
