小説『人生劇場』で知られる小説家・尾崎士郎には、小説家・宇野千代と別れたのちに結婚した妻・古賀清子との間に娘と息子がいます。
息子は1948(昭和23)年5月に誕生した尾崎俵士(おざきひょうじ)です。
俵士は姉・尾崎一枝より15歳年下の弟にあたり、父・士郎が自身の代表作『人生劇場』の主人公・青成瓢吉にちなんで名前を考えました。
尾崎士郎は「俵士」と題した文章を残し、息子が生まれたときの喜びや幼少期の生活、将来への思いなどを記しています。
また、俵士は父・士郎の最晩年に高校受験の年を迎え、早稲田大学高等学院の入学試験に合格しました。
この記事では、尾崎士郎の息子・尾崎俵士について、誕生や名前の由来、父との関係などを解説します。
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結論|尾崎士郎の息子は尾崎俵士
尾崎士郎の息子は、妻・古賀清子との間に生まれた1948(昭和23)年5月生まれの尾崎俵士です。
姉には尾崎一枝がおり、俵士は一枝より15歳年下の弟にあたります。
「俵士」という名前は父・士郎が付けたもので、当初は『人生劇場』の主人公・青成瓢吉から「瓢」の字を取って「瓢士」とする予定でしたが、漢字制限から「俵士」と命名されました。
尾崎士郎は息子について「俵士」と題した文章も残しており、幼い息子との生活や将来への思いを記しています。
また、父・士郎の最晩年には高校受験を迎え、早稲田大学高等学院に合格。
父・尾崎士郎の「俵士」と姉・尾崎一枝の『父 尾崎士郎』からは、俵士の誕生から少年期までの姿や、父と息子の関係を知ることができます。
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尾崎士郎の息子・尾崎俵士とは
小説『人生劇場』で知られる尾崎士郎には、妻・古賀清子との間に娘・尾崎一枝と息子・尾崎俵士(おざきひょうじ)がいます。
俵士が生まれたのは、尾崎士郎が古賀清子と結婚して家庭を築いた後のことでした。
尾崎士郎自身も息子について「俵士」と題した文章を残しており、誕生したときの喜びや幼い息子との生活、将来への思いなどを記しています。
また、姉・尾崎一枝の著書『父 尾崎士郎』からも、俵士が生まれたときの尾崎家の様子や、その後の成長を知ることができます。
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尾崎俵士は尾崎士郎と古賀清子の長男
尾崎俵士は、尾崎士郎と古賀清子の間に長男として誕生。
姉には1933(昭和8)年生まれの尾崎一枝がおり、俵士は一枝より15歳年下の弟にあたります。
尾崎士郎は俵士が誕生したころの出来事を、のちに「俵士」と題した文章にまとめています。
一方、一枝も『父 尾崎士郎』の中で弟が生まれた日のことを振り返っているため、俵士の誕生については父と姉、それぞれの視点から当時の様子を知ることができます。
息子の誕生を喜んだ尾崎士郎
『父 尾崎士郎』によると、一枝と士郎が自宅にいたところ、病院から古賀清子が男の子を出産したという知らせが届きました。
一枝は、その知らせを聞いた父の声に深い喜びがこもっていたことを回想。
士郎と一枝は急いで病院へ向かい、生まれたばかりの俵士と対面しました。
一枝にとっても、年の離れた弟の誕生は印象深い出来事だったようです。
一方、尾崎士郎自身も「俵士」で、生まれたばかりの息子の様子を詳しく記しています。
父と姉の双方が俵士誕生の日について文章を残していることからも、長男の誕生が尾崎家にとって大きな出来事だったことがうかがえます。
尾崎俵士の名前の由来は『人生劇場』の青成瓢吉
「俵士(ひょうじ)」という珍しい名前を付けたのは、父・尾崎士郎です。
『父 尾崎士郎』によると、士郎は当初、自身の代表作『人生劇場』の主人公・青成瓢吉から「瓢」の字を取り、息子を「瓢士」と名付けるつもりでした。
しかし「瓢」の字は常用漢字ではなく、名前に用いる字としては使えないため、「俵」の字を使った「俵士」と命名しています。
「俵」の意味を知った尾崎士郎は名前を気に入った
「瓢士」から「俵士」への変更は、当初から予定されていたものではありませんでした。
しかし士郎は、「俵」には「わから与える」という意味があることを知ります。
『父 尾崎士郎』によると、その意味を知った士郎は「俵士」という名前を気に入り、気前がよく、人から好かれる男性になることを連想して喜んでいました。
そして5月12日、士郎は息子を「俵士」と命名しました。
『人生劇場』の主人公・青成瓢吉にちなんで考えられた名前が、漢字制限をきっかけとして「尾崎俵士」という名前になったのです。
尾崎士郎は幼い息子・俵士との生活を「俵士」に残す
『尾崎士郎全集 第12巻』に収録されている『俵士』という作品には、父親となった士郎から見た幼い俵士の姿が描かれています。
そこには作家としての尾崎士郎だけではなく、幼い息子と日常生活を送る父親としての姿も残されています。
幼い俵士を風呂に入れた尾崎士郎
「俵士」には、士郎が幼い俵士を風呂に入れる場面があります。
俵士が母・清子と一緒に風呂へ入りたがる一方で、父親と風呂に入ることになる様子など、尾崎家の日常が描かれています。
『人生劇場』の作者として知られる尾崎士郎ですが、「俵士」からは幼い息子と接する家庭での父親としての一面を知ることができます。
文学者たちが出入りする家庭で育った俵士
「俵士」には、俵士が幼かったころの尾崎家の様子についても記されています。
当時の尾崎家には、尾崎士郎と交流のあった文学者たちが出入りしていました。
俵士は、父・尾崎士郎を中心に多くの文学者が交流する家庭環境の中で幼少期を過ごしたことになります。
父親が著名な小説家だっただけでなく、その周囲にも文学者たちが集まる家庭だったことは、尾崎俵士の幼少期を考えるうえで特徴的な環境でした。
尾崎俵士は早稲田大学高等学院に合格
『父 尾崎士郎』では、幼いころの俵士だけでなく、尾崎士郎の最晩年を迎えたころの成長した俵士についても触れられています。
父・士郎が晩年を迎えるころ、俵士は高校受験の時期を迎えていました。
そして早稲田大学高等学院を受験し、合格しています。
父・尾崎士郎の最晩年に高校受験を迎える
尾崎士郎の晩年、俵士は高校へ進学する年齢になっていました。
『父 尾崎士郎』では、俵士が高校受験に臨んだことや、早稲田大学高等学院の入学試験に合格したことが記されています。
俵士の誕生を喜び、幼い息子との生活を「俵士」に残した士郎は、息子が高校へ進学する時期まで、その成長を見届けたことになります。
一方、現時点で確認できる『父 尾崎士郎』の記述からは、その後の俵士の進学先や職業などについて詳しいことは分かりません。
尾崎士郎は息子・俵士へ「生前の遺書」を残す
尾崎士郎が息子について記した「俵士」は、単なる幼少期の回想だけではありません。
文章の最後では、士郎が将来の息子へ向けて、自らの人生観や父親としての思いを語っています。
末尾には「昭和三十二年十二月 生前の遺書」と記されており、父から息子へ残した文章としての性格も持っています。
「人生に対する抵抗力だけは持っているだろう」
士郎は「俵士」の終盤で、息子が自分の血を受け継いでいることに触れています。
そして、自分と同じように心が弱く涙もろいところがあるかもしれない一方、「人生に対する抵抗力」は持っているだろうという期待を記しました。
単に息子の成功を願うのではなく、これから生きていくうえで困難に向き合う力を持ってほしいという父親としての思いが表れています。
「大地の底から、お前の前途を見まもっていてやるぞ」
「俵士」の最後で、士郎は自分が亡くなった後についても息子へ語りかけています。
父が死んだ後も、大地の底から息子の前途を見守っているという趣旨の言葉を残しました。
「俵士」は、息子が生まれたときの思い出や幼少期の生活を振り返るだけでなく、父・尾崎士郎が息子の将来へ託した思いを記した文章でもあります。
尾崎俵士について詳しい経歴が残されている資料は限られていますが、父・尾崎士郎の「俵士」と姉・尾崎一枝の『父 尾崎士郎』を合わせることで、その誕生から少年期までの姿や、父と息子の関係を知ることができます。
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