風、薫る 第4週(16話・17話・18話・19話・20話) あらすじと吹き出し
風、薫る 16話 あらすじ(4月20日月曜日)
婦人慈善会が行う炊き出しの日にりん(一ノ瀬りん)と大山捨松(多部未華子)と偶然に再会。そこには貴婦人たちの作業を手伝う直美(上坂樹里)の姿も。
そのとき1人の男の子が炊き出しで振る舞われたおにぎりやみそ汁を慌ててかき込んだため、食べたものを戻してしまうアクシデントが発生。
その男の子を介抱する様子を見た捨松は2人に声をかけます。「トレインドナースになりませんか」と。
風、薫る 17話 あらすじ(4月21日火曜日)
捨松の口から出た「トレインドナース」という聞きなれない言葉に戸惑うりんと直美。捨松の丁寧な説明で病人を看護する専門職のことは分かりましたが、直美はその場で断ります。
一方、りんは母・美津(水野美紀)と相談するも、「病人の看護など金目当ての下女がすること」と猛反対。気持ちがモヤモヤするのでシマケン(佐野晶哉)に相談すると、りん自身がトレインドナースに偏見を抱いているのではないかと指摘されます。
風、薫る 18話 あらすじ(4月22日水曜日)
一方、直美が街を歩いていると小日向栄介(藤原季節)が女性と腕を組んで一緒にいることに驚きます。
直美が問いただすと、本名は「寛太(かんた)」で実は孤児であったことを正直に話し、「海軍中尉」などという肩書きはすべて詐欺師としての嘘であったことが判明。
自分も嘘をついており、何もかもが馬鹿馬鹿しくなった直美は、捨松の前で「旗本の娘」などではないことを白状しました。
風、薫る 19話 あらすじ(4月23日木曜日)
直美が捨松の前で嘘を認めたその夜、りんの娘・環が奥田家の人間に連れ去られる事件が発生。りんは娘を取り戻すために、一人で東京から那須への道を急ぐことに。
りんは亀吉(三浦貴大)の前で正式に離縁してもらうことを申し出。環の親権を渡すので大きくなったらせめて女学校に通わせてやってほしいと懇願しますが、亀吉は拒否。
風、薫る 20話 あらすじ(4月24日金曜日)
環を女学校に進学させるかさせないかで口論になるりんと亀吉。ついに「金は自分で稼ぐ」と啖呵を切って、りんが環を引き取ることになります。
お金が必要になったりんはついにトレインドナースとなることを決意。反対する美津の前でその覚悟を語りだすのでした。
風、薫る 第4週 吹き出し
下記の吹き出しは、婦人慈善会が主催する炊き出しの最中、大山捨松がりんと直美に向かって出た言葉です。この一言が主人公たちの運命を大きく動かすことになります。
「あなた方、trained nurseになりませんか?」
風、薫る 第4週(16話・17話・18話・19話・20話) ネタバレ
大山捨松自身がトレインドナースだった
「風、薫る」の第4週では大山捨松がりんと直美を「トレインドナース(現在の看護師のこと)」になる道へと誘うことになります。なぜ大山捨松はこれほどにもトレインドナースに熱心なのでしょうか?
実は実在した大山捨松自身も、10年間のアメリカ留学中にコネチカット看護婦養成学校で「甲種看護婦免状」の資格を取得したトレインドナースの1人でした。
また日本に帰国した大山捨松は有志共立東京病院(現在の東京慈恵医科大学附属病院)を視察。病棟の看護人が男性ばかりであることに疑問を感じます。
二年前、ニューヘイブンの看護婦養成学校で学んだばかりの捨松は、日本の病院や看護婦がどのような状況に置かれているかとても関心があった。病室を訪れると驚いたことに男性が病人の世話をしているではないか。早速、捨松は高木兼寛院長に、「外国では看護人には女性を採用しているを御存じのはずなのに、何故女性をお使いにならないのですか」と質問し、女性のほうが生まれつききめ細かな看護に向いているし、病人にとっても女性のほうが気持が和むものだと説明した。院長は「ごもっともな御説ですが、何分経費が足りず、看護婦養成所を作りたくてもとても手が回りません」と答えている。
久野明子 鹿鳴館の貴婦人大山捨松: 日本初の女子留学生 (中公文庫 く 12-1) 215ページから216ページ
院長の高木兼寛から「看護婦を養成するためのお金がない」と言われた捨松は、留学生のときに住んでいたアメリカ・コネチカット州のニューヘイブンで開かれていた慈善事業のバザーを思い出します。
19世紀末の日本では「慈善(ボランティア)」や「寄付」といった考えは全くの埒外でしたが、アメリカにおいてはすっかり根付いていました。
さっそく大山捨松は、外国との不平等条約を解消することを目的として建設された社交場である「鹿鳴館」を使って慈善バザーを企画。1884(明治17)年6月12日から3日間、「鹿鳴館慈善バザー」を開催しました。
鹿鳴館の2階にバザーの売場が設けられ、皇族・華族・政府高官たちをはじめとして会期中には約1万2,000人が入場。収益も当初の目標であった1,000円をはるかに超える8,000円が集まり、大山捨松たちは収益の全額を有志共立東京病院に寄付。
このときの寄付金がもとになって有志共立東京病院看護婦教育所(現在の慈恵看護専門学校)が設立されます。
一ノ瀬りんのモデル大関和がトレインドナースを志した理由
「風、薫る」の第4週では大山捨松の言葉をきっかけとしてトレインドナースを志すこととなります。
一ノ瀬りんのモデルとなった大関和さんがトレインドナースを志したきっかけは、1886(明治19)年ごろに「人生の師」と仰ぐ牧師・植村正久(「風、薫る」の吉江善作のモデル)から説得を受けたことが大きいでしょう。
第4週ではりんは当初、トレインドナースに偏見を抱いてそのことをシマケンに指摘されますが、実在した大関和さんも「病人の看護など家老の娘がすることではない」と植村正久からの申し出に難色を示していたようです。
しかし植村正久はそんな大関和さんの消極的で偏見に満ちた態度を一喝。大関和さんは、1887(明治20)年1月に桜井女学校附属看護婦養成所(「風、薫る」の梅岡看護婦養成所のモデルとなる看護学校)に看護学生として入学することになりました。
「君はキリスト教信者になりたいと言いながら、まだ名誉にこどわるのか。名誉を望むのも罪の1つである。われわれ信者がまずしなければならないことは、神の御前に善きことをなすこと、これが第一なのだ。他人が賤しんだり誹ったりしようとも、神の前で正しいことならば、まずそれをやり遂げるべきではないのか。
(中略)
この世で病いに苦しんでいる人ほど不幸な人はいない。その病人を真心をもって看護することで天なる父の慈愛を示すのは、これ以上の伝道はないと思う。神の恩を口で説いて感動を与えるより、それを言動に現して悟らせるべきなのではないだろうか」亀山美知子「大風のように生きて: 日本最初の看護婦大関和物語」ドメス出版 35ページから36ページ
大家直美のモデル鈴木雅がトレインドナースを志した理由
一方、直美のモデルとなった鈴木雅さんの場合はなぜトレインドナースを志したのでしょうか?
朝ドラ「風、薫る」の原案となっている「明治のナイチンゲール 大関和物語」ではこのように説明されています。
「でも、夫は銃創が原因で床につくようになり、四年前に亡くなりました。私は欧米のトレインド・ナースの存在を知っていたので、もし私に看護の技術があれば、夫は最後の時間をもっと安らかに過ごせたのではないかと悔やみました。それに、夫の恩給で生活は成り立ちますが、自立したいという気持ちもありました」。
1887(明治20)年1月に桜井女学校附属看護婦養成所に入学する前の鈴木雅さんは、西南戦争の戦傷がもとで亡くなった夫で陸軍少佐・鈴木良文の恩給で生活をしており、特に経済的に困窮していたわけではなかったようです。
しかし鈴木雅さんは当時の女性としては珍しく、フェリス・セミナリー(現在のフェリス女学院)と日本婦女英学校(現在の横浜共栄学園)の2つの女学校を卒業した学歴の持ち主でした。
これらのことから、実在の鈴木雅さんには、女性も経済的自立をすべきであるという考え方を早くからしていた可能性が高いでしょう。
風、薫る 全話あらすじと最終回までのネタバレ
風、薫る 全話あらすじ
朝ドラ「風、薫る」のあらすじ全話まとめ・登場人物とキャスト・モデル人物・相関図を知りたい方は、下記の記事が参考になるでしょう。
風、薫る 最終回までのネタバレ
また「風、薫る」の最終回までのネタバレ・史実解説・家系図・結末などを知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
風、薫る 第4週(16話・17話・18話・19話・20話) キャスト 相関図
風、薫る 第4週 キャスト 相関図
朝ドラ「風、薫る」の第4週のキャスト相関図は以下の通りです。
風、薫る 全体のキャスト 相関図
朝ドラ「風、薫る」全体のキャスト一覧と相関図です。
風、薫る 第4週(16話・17話・18話・19話・20話) 関連記事と参考文献
風、薫る 第4週 関連記事
「風、薫る」の第4週では大山捨松の口から「トレインドナースとは何か?」という説明がなされます。
明治時代の「トレインドナース」とは現代で言う看護師のことですが、その職業イメージはおよそ現代の日本人からはかけ離れたものでした。明治初期から中期ごろのトレインドナースたちは、世間からどのような目で見られていたのか下記の記事が参考になるでしょう。
また「鹿鳴館の華」とも呼ばれた大山捨松と看護婦養成の関わりについては下記の記事が参考になるでしょう。
風、薫る 第4週 参考文献
今回の記事は以下の書籍を参考文献としています。なお「明治のナイチンゲール 大関和物語」は朝ドラ「風、薫る」の原案となっています。
- 吉瀬智子 連続テレビ小説 風、薫る Part1 NHKドラマ・ガイド NHK出版
- 亀山美知子 大風のように生きて: 日本最初の看護婦大関和物語 ドメス出版
- 田中ひかる 明治のナイチンゲール 大関和物語 (中公文庫)
- 宮田茂子 《新装版》「大関和」を通して見た日本の近代看護【真説】国家的セクハラを受けた職業集団 星湖舎
