朝ドラ「風、薫る」第9週では、帝都医科大学附属病院を舞台に、“理想の看護”だけでは救えない現実が描かれます。
和泉千佳子の手術後、りんと直美は患者だけでなく、その家族や看病婦たちとも向き合うことになります。
中でも、生活のために働く看病婦・永田フユの存在は、りんたちに「寄り添うだけでは患者は救えない」という現実を突きつけます。
さらに、足の悪い夫・永田康介との暮らしや看病婦が蔑んで見られた時代背景も描かれ、看護を職業とする人たちの苦しい胸のうちも明らかになります。
一方、帝都医科大学附属病院では、看護婦と看病婦の価値観の違いも表面化し、りんと直美は理想と現実の狭間で大きく揺れ始めます。
▼第9週の注目人物
・和泉千佳子(仲間由紀恵)
→ 和泉千佳子はどうなる?手術後と結末を解説
・永田フユ(猫背椿)
→ 看病婦として働く女性。りんたちに“看護の現実”を突きつける重要人物
・永田康介(じろう)
→ フユの夫。脚を悪くして働けない。フユの稼ぎが頼り
▼第9週の舞台(東京)
・帝都医科大学附属病院とは
→ 看護実習と患者対応が行われる中心舞台
※病院の理想論だけでは解決できない“生活と看護の現実”が描かれ、りんと直美が大きく揺さぶられる週です。
▼要点まとめ(3秒で分かる)
・看病婦の永田フユがりん・直美と対立しのちに和解
・患者だけでなく家族や生活問題とも向き合う
・看護婦と看病婦の違いが描かれる
→ 風、薫る 全話あらすじ一覧 最新週から第1週まで
→ 風、薫る ネタバレ最終回 主要登場人物の結末
結論|第9週は“理想の看護”と“現実の生活”が衝突する
朝ドラ「風、薫る」第9週では、りんと直美が帝都医科大学附属病院で“患者の生活そのもの”と向き合うことになります。
特に大きな存在となるのが、看病婦・永田フユです。
フユは、患者に寄り添うだけでは救えない現実や、生活のために働かなければならない女性たちの苦しさを象徴する人物として描かれます。
また、夫・永田康介との暮らしや、看病婦が蔑まれていた時代背景も描かれ、第9週では「看護を仕事にする女性たち」が抱えていた葛藤や苦悩も浮き彫りになっていきます。
一方、りんと直美は理想のトレインドナース像を追い求めながらも、現実の病院では看護婦と看病婦が複雑に共存していることを知り、大きく揺れ始めます。
→ 和泉千佳子の結末と史実モデルはこちら
→ 帝都医科大学附属病院とは?モデル・東大との関係を解説
→ 風、薫る ネタバレ最終回 主要登場人物の結末
風、薫る 第9週の重要ポイントまとめ
りんと直美が外科手術の介助を担当するも…
りんと直美は、外科教授の今井から手術の介助を命じられますが、全く役に立ちません。
そこで「器械出し」の名人である看病婦のフユからその技術を学び取ろうとしますが、逆にお金を請求される始末です。
看病婦たちは蔑まれた存在だった
りんと直美はやがて看病婦たちが世間から蔑まれた存在であることに気が付きます。
看病婦たちは高度な技術や経験を有しているにも関わらず、すっかり自分の仕事に対して自信を失ってしまっていることに気がつきます。
風、薫る 第9週(41話・42話・43話・44話・45話) あらすじと吹き出し
風、薫る 41話 あらすじ(5月25日月曜日)
千佳子(仲間由紀恵)の乳がん切除手術の当日。りん(見上愛)は千佳子の手術に立ち会うことになり、手術は無事終了しました。千佳子から感謝の言葉を述べられます。
その手術について、りんは直美(上坂樹里)に看病婦の永田フユ(猫背椿)がしていた手術介助の手際が見事だったと感想を述べました。
風、薫る 42話 あらすじ(5月26日火曜日)
千佳子が退院した日、太ももに木片が刺さった患者が搬送されてきます。りんと直美は外科教授の今井益男(古川雄大)と助手の黒川勝治(平埜生成)の手術介助を命じられますが、全く役に立ちません。
手術が終わったのち、りんはフユに手術介助を教えて欲しいと頼みますが、フユはりんに月謝を要求。その後、看護学生たちは、看病婦たちはお金に困っている人が多いことに気がつきました。
風、薫る 43話 あらすじ(5月27日水曜日)
りんと直美は、フユに対してトレインドナースとしての知識を教える代わりに、看病婦としての経験を教えてほしいと提案。するとフユは他人の看病をするぐらいなら、家で夫の看病をすると声を荒げて、りんと直美の申し出に取り合ってくれません。
風、薫る 44話 あらすじ(5月28日木曜日)
りんと直美は休日にフユの夫・康介(じろう)を訪問。脚を悪くしている康介のために、洗髪や着替えの手伝いなど自分たちができる看護を始めることに。
すると康介もフユも看護の仕事を卑下している様子が分かってきました。りんと直美は「そんなことはない」と否定して看病婦としてのフユの仕事は立派なものだと励まします。
風、薫る 45話 あらすじ(5月29日金曜日)
その後、病院ではフユがりんと直美に手術介助を教えても良いと発言。これをきっかけに病院に従来からいた看病婦たちと看護学生たちはお互いの知識や経験を教え合う関係に変わっていきました。
風、薫る 第9週 吹き出し
「風、薫る」の第9週で看病婦であるフユは自分の仕事を卑下し、フユの夫・康介も看護の仕事を否定します。
「看病婦なんか」
現代の日本人の感覚では考えられないことですが、明治時代初期から半ばごろの日本人の多くは、看病婦や看護婦(トレインドナース)たちの仕事について「金のために病人の世話をする卑しい職業」と本気で思っていたようです。
吹き出しのセリフは、当時の日本人としては一般的な考え方を示す象徴的なセリフであると言えるでしょう。
風、薫る 第9週(41話・42話・43話・44話・45話) ネタバレ
今井益男のモデルは佐藤三吉
今井益男のモデルと考えられる佐藤三吉(さとうさんきち)は、1857(安政4)年11月15日に、美濃国大垣藩(現在の岐阜県大垣市)の藩士・佐藤只五郎の三男として誕生。
1882(明治15)年に帝国大学医科大学(現在の東京大学医学部)を卒業し、1883(明治16)年にドイツのベルリン大学に留学し外科学を学びます。1887(明治19)年には東京帝国大学教授に任じられ、1901(明治34)年には東京帝国大学医科大学付属医院院長に就任。
大関和(一ノ瀬りんのモデル)さんは、1888(明治21)年10月26日に「桜井女学校附属看護婦養成所(「風、薫る」の梅岡看護婦養成所のモデル)」を卒業し、帝国大学医科大学第一医院(現在の東京大学医学部附属病院)外科の看病婦取締に就任します。
当時、佐藤三吉は当時外科の医局長で、大関和さんにとって上司にあたる人物でした。
黒川勝治のモデルは瀬尾原始
黒川勝治のモデルと考えられる瀬尾原始(せのおげんし)とは、江戸時代に高田藩の藩医であった瀬尾玄弘(げんこう)の養子。
玄弘は1871(明治4)年に新潟県高田(現在の新潟県上越市)の地に知命堂という医院を開業・経営していたところ、1891(明治24)年に知命堂病院と名前を改め、原始が初代院長に就任。
1894(明治27)年には「知命堂病院附属産婆看護婦養成所」を開校し、1906(明治39)年には「財団法人 知命堂病院」を設立。その後、原始は1912(明治45)年に「財団法人 知命堂病院」の理事長に就任しました。
瀬尾原始は知命堂病院が開院した1891(明治24)年11月29日、大関和さんを病院の看護長(現在の看護師長に相当)に任命しています。
風、薫る 第9週 キャスト・相関図
「風、薫る」第9週の人間関係が分かるキャスト相関図はこちら
風、薫る 全話あらすじと最終回までのネタバレ
風、薫る ネタバレ
また「風、薫る」の最終回までのネタバレや登場人物の結末などを最速で知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
→ 1分で分かる「風、薫る」のネタバレ・最終回・登場人物の結末
風、薫る あらすじ
朝ドラ「風、薫る」の全体あらすじや、ストーリー構造を知りたい方は、下記の記事が参考になるでしょう。
→「風、薫る」の全体あらすじのまとめや前半・ストーリーの流れはどうなる?
風、薫る 第9週(41話・42話・43話・44話・45話) 関連記事と参考文献
風、薫る 第9週 関連記事
「風、薫る」の第9週で外科手術を担当する医師・今井益男と黒川勝治のモデルと考えられる佐藤三吉と瀬尾原始については、下記の記事において人物プロフィールや大関和さんとの関係を詳しく紹介しています。
風、薫る 第9週 参考文献
今回の記事は以下の書籍を参考文献としています。なお「明治のナイチンゲール 大関和物語」は朝ドラ「風、薫る」の原案となっています。
- 吉瀬智子 連続テレビ小説 風、薫る Part1 NHKドラマ・ガイド NHK出版
- 亀山美知子 大風のように生きて: 日本最初の看護婦大関和物語 ドメス出版
- 田中ひかる 明治のナイチンゲール 大関和物語 (中公文庫)
- 宮田茂子 《新装版》「大関和」を通して見た日本の近代看護【真説】国家的セクハラを受けた職業集団 星湖舎
