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尾崎士郎の娘・尾崎一枝とは?夫・中村湊一郎との結婚や子供を解説

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小説『人生劇場』で知られる小説家・尾崎士郎には、小説家・宇野千代と別れたのちに結婚した妻・古賀清子との間に娘と息子がいます。

娘は1933(昭和8)年に生まれた尾崎一枝(のちの中村一枝)です。

一枝は早稲田大学国文科を卒業後、文化放送芸能部に勤務。その後、俳人・中村汀女の息子である中村湊一郎とお見合いを経て結婚しました。

また、一枝自身も『父 尾崎士郎』『母親ごっこ』などの著作を残し、父・尾崎士郎との関係や結婚、母親となってからの子育てについて振り返っています。

この記事では、尾崎士郎の娘・尾崎一枝について、父との関係や中村湊一郎との結婚、娘・息子の2人の子供などを解説します。

→ 尾崎士郎とは?宇野千代の3番目の夫
→ 尾崎士郎と古賀清子
→ 尾崎士郎の子供・子孫
→ 尾崎俵士とは?尾崎士郎の息子

目次

結論|尾崎士郎の娘は尾崎一枝(中村一枝)

尾崎士郎の娘は、1933(昭和8)年に生まれた尾崎一枝です。

父は作家・尾崎士郎、母は古賀清子で、弟には尾崎俵士がいます。

一枝は早稲田大学国文科を卒業後、文化放送芸能部に勤務。その後、俳人・中村汀女の息子である中村湊一郎とお見合いを経て結婚し、中村一枝となりました。

湊一郎との間には、娘と息子の2人の子供をもうけています。

また、『父 尾崎士郎』『母親ごっこ』などの著作を残し、父との関係や結婚、母親となってからの子育てについて自ら振り返っています。

→ 尾崎士郎とは?宇野千代の3番目の夫
→ 尾崎士郎と古賀清子
→ 尾崎士郎の子供・子孫
→ 尾崎俵士とは?尾崎士郎の息子

尾崎一枝と父・尾崎士郎の関係

尾崎一枝が著した『父 尾崎士郎』には、家庭で見せた父・尾崎士郎の姿や、父娘の関係が詳しく描かれています。

一枝は父親から一方的にかわいがられていただけではなく、思春期には激しく反発することもありました。

しかし成長して恋愛や結婚を考える年齢になると、士郎は娘の意思を尊重する姿勢を見せています。

→ 尾崎士郎とは?宇野千代の3番目の夫

思春期には父・尾崎士郎と激しく衝突

一枝によると、小学校高学年から中学1、2年ごろは、父・士郎に強く反発していた時期でした。

一枝自身、後年になって当時を振り返り、自分の言動が父親の神経を逆なでするようなものだったことを認めています。

士郎も感情を表に出すことがあり、娘に対して激しく怒ることがありました。

あるときには父娘の言い争いから、士郎が一枝に本を投げつけ、一枝も父親に組みついていったといいます。

母・清子が二人の間に入るほどの父娘喧嘩に発展。

一枝は後年、この出来事を比較的ユーモラスに振り返っています。

父親を恐れて一方的に従っていたというより、思春期には父親と真正面からぶつかることもある父娘だったことがうかがえます。

→ 尾崎士郎と古賀清子

尾崎士郎は「年ごろのわが娘に与う」を発表

一枝が成長すると、父娘の関係にも変化が見られるようになります。

尾崎士郎は1955(昭和30)年、『婦人朝日』に「年ごろのわが娘に与う」と題した文章を発表。

年ごろになった一枝の恋愛や結婚について自らの考えを記しています。

当時、一枝には「杉山君」と呼ばれる親しい男性がおり、士郎もその存在を知っていました。

一枝と士郎は、この男性との関係について二人で相談したこともあったようです。

士郎は娘を心配する「親馬鹿」を自認する一方、娘の恋愛や結婚については、本人の意思を尊重する考えを示していました。

好きになった男性を父親が気に入らないという理由だけで反対するのではなく、最終的には一枝自身が自分の人生を選ぶべきだと考えていたことが分かります。

思春期には激しく衝突した父娘でしたが、一枝が成人するころには、恋愛について父親と話し合える関係になっていました。

尾崎一枝は中村湊一郎とお見合い結婚

尾崎一枝はその後、俳人・中村汀女の息子である中村湊一郎と結婚。

二人の出会いはお見合いでした。

『父 尾崎士郎』では、そのお見合いが実現するまでの経緯や、当日の尾崎士郎の様子についても詳しく回想されています。

尾崎士郎のもとへ中村湊一郎との縁談が持ち込まれる

一枝によると、中村湊一郎との縁談を最初に尾崎士郎へ持ち込んだのは、新聞社の出版局に勤務していた人物です。

相手は俳人・中村汀女の息子で、早稲田大学で一枝を知っているという話でした。

一枝自身は、それまでお見合い結婚をするつもりはなかったと振り返っています。

しかし、父親を通じて持ち込まれたこの縁談を受け、湊一郎と会ってみることになりました。

父・尾崎士郎は結婚を強制しなかった

興味深いのは、縁談を一枝へ伝えた尾崎士郎が、その後の判断にはあまり介入しなかったことです。

一枝は父について、この縁談では終始「傍観者」のような立場を守っていたと振り返っています。

これは、士郎が「年ごろのわが娘に与う」で示していた、娘自身に恋愛や結婚を選ばせようとする姿勢とも重なります。

縁談を持ってきたからといって、父親の意向で娘を結婚させようとしたわけではありませんでした。

お見合いで中村湊一郎を「美人だな!」と評した尾崎士郎

お見合いは小川軒の洋室で行われました。

一枝と両親の尾崎士郎・清子、中村湊一郎とその母・中村汀女、紹介役らが顔を合わせています。

湊一郎を見た士郎は、その容貌について「美人だな!」と口にしたと一枝は回想しています。

お見合いの席が終わると、士郎は一枝にお金を持っているか確認し、一枝と湊一郎が二人で過ごせるようにしています。

こうして一枝と湊一郎は交際を進め、その後に結婚。

→ 尾崎士郎と古賀清子

尾崎一枝の子供は娘と息子の2人

中村湊一郎と結婚した一枝は、娘と息子の2人の子供をもうけました。

一枝自身が著した『母親ごっこ』には、母親となった一枝の日常や子育てに対する考えが詳しく記されています。

そのため、尾崎士郎には少なくとも一枝を通じて、孫にあたる女児と男児がいたことが確認できます。

→ 尾崎士郎の子供・子孫

『母親ごっこ』に一男一女との生活をつづる

『母親ごっこ』の「母親落第の記」では、一枝が娘・息子と一緒にテレビを見る家庭での日常などが描かれています。

また、2人の子供はいずれも逆子だったことや、娘が12月25日の朝に生まれたことなど、出産についても振り返っています。

一枝は子供をただかわいがるだけではなく、自分が母親としてどのように接するべきなのか、常に考えながら子育てをしていました。

子供を叱ったあとにも自分の態度が正しかったのか考え、周囲から「自分を批判している」と指摘されるほど、自らの母親としてのあり方を問い続けています。

自分が「娘」だった経験から母親について考える

一枝の子育てについて興味深いのは、自分自身が娘だったころの経験と重ね合わせながら「母親」という存在について考えている点です。

一枝自身も若いころには両親に反発しました。

それが結婚して自分が親になると、今度は自分の娘から母親としての言動を批判される立場になります。

『母親ごっこ』では、そうした経験を通して、自分の母親や自分自身の子育てについて考察しています。

「尾崎士郎の娘」だった一枝が、結婚後には一男一女の母親となり、自分自身の親子関係を振り返りながら子供を育てていたことが分かります。

子供の幼稚園選びや教育にも悩んだ

一枝は子供の教育についても試行錯誤していました。

『母親ごっこ』では、子供を通わせた幼稚園の教育方針について疑問を持ったり、別の幼稚園の方針に共感したりする様子が描かれています。

子供を厳しくしつけるべきなのか、それとも自由に遊ばせるべきなのか。

一枝自身にも迷いがあり、自分なりの母親像を模索しながら子供を育てていました。

父・尾崎士郎との関係を振り返っても、一枝は「親から子へ一方的に価値観を押しつければよい」と考えていたわけではなかったことがうかがえます。

尾崎一枝は父・尾崎士郎について著作を残す

尾崎一枝は、弟にあたる尾崎俵士(おざきひょうじ)も含め、自身の家族について複数の著作を残しています。

『父 尾崎士郎』では、作家として知られる尾崎士郎ではなく、娘の目から見た家庭での父親の姿を回想。

また、『母親ごっこ』では、自らが母親となってからの子育てや家族との生活について記しています。

父・尾崎士郎との衝突、成長してからの父娘関係、中村湊一郎とのお見合い、そして自分自身が娘と息子を育てる母親となった経験。

一枝の著作からは、「尾崎士郎の娘」というだけでは分からない、一枝自身の人生や家族観を知ることができます。

→ 尾崎俵士とは?尾崎士郎の息子
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参考文献

今回の記事は以下の書籍を参考としています。

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