MENU
本ページはプロモーションが含まれています

宇野千代と広津和郎の関係|麻雀を教わった「馬込文士村」の文学仲間

unochiyo-hirotsukazuro

小説家・宇野千代(1897~1996年)と広津和郎(1891~1968年)は、1920年代後半から東京・馬込(「馬込文士村」)などで交流した文学仲間です。

『宇野千代全集 第12巻』の年譜によると、1926(大正15/昭和元)年の暮れに広津和郎が馬込へ転居。この頃から宇野千代との交流が始まったと考えられます。

広津和郎は宇野千代に麻雀のやり方を教えた人物でもあり、宇野千代は『生きて行く私』で、広津の家に集まって朝も昼も夜もないほど麻雀に夢中になったことを振り返っています。

また、NHKの朝ドラ「ブラッサム」10週には、広津和郎をモデルにしたと考えられる広瀬和郎が登場。主人公・葉野珠が馬込村の文士たちと麻雀に興じる様子も描かれます。

この記事では、宇野千代と広津和郎の関係や馬込での交流、広津から教わった麻雀について紹介します。

→ 宇野千代の人間関係 交流のあった作家・芸術家たち
→ 宇野千代の年表
→ ブラッサム 登場人物 モデル一覧
→ ブラッサム 10週 あらすじ

目次

結論|宇野千代と広津和郎は馬込で交流し麻雀を教わった文学仲間

宇野千代と広津和郎は、1920年代後半から東京・馬込などで交流した文学仲間です。

『宇野千代全集 第12巻』の年譜では、1926(大正15/昭和元)年の暮れに広津和郎が馬込へ転居。この頃から二人の交流が始まったと考えられます。

広津和郎は宇野千代の着飾った姿を「初荷の馬」と評したり、宇野千代が異母弟妹たちの面倒を見る姿に感心したりするなど、私生活を知る間柄でもありました。

また、宇野千代が生涯にわたって楽しんだ麻雀を教えたのも広津和郎です。馬込時代に広津から手ほどきを受けた宇野千代は麻雀に夢中になり、その後約60年間にわたって続けました。

二人の交流は馬込時代だけで終わらず、戦時中の熱海でも続き、宇野千代は広津和郎や志賀直哉らと麻雀をしたことを書き残しています。

→ 宇野千代の人間関係 交流のあった作家・芸術家たち
→ 宇野千代の年表
→ 宇野千代と萩原朔太郎の関係
→ 宇野千代と梶井基次郎の関係
→ ブラッサム 登場人物 モデル一覧

宇野千代と広津和郎の関係

宇野千代と広津和郎は、1920年代後半から東京・馬込(「馬込文士村」)などで交流した文学仲間です。

『宇野千代全集 第12巻』の年譜によると、二人が交流するようになったのは1926(大正15/昭和元)年末頃と考えられます。

→ 宇野千代の年表

広津和郎が1926(大正15)年末に馬込へ転居

年譜によると、同年11月には詩人の萩原朔太郎が馬込へ転居し、暮れには広津和郎も馬込へ移り住みます。

この頃の馬込には多くの作家や詩人が集まり、後に「馬込文士村」と呼ばれる文学者たちの交流が生まれていました。

宇野千代と広津和郎も、この馬込で交流するようになったと考えられます。

1928(昭和3)年には、梶井基次郎が上京して馬込の尾崎家や広津家などを訪問。

同年には宇野千代が関わった「女人芸術」の集まりにも広津和郎が参加しており、二人の交流が続いていたことが『宇野千代全集 第12巻』の年譜から確認できます。

→ 宇野千代と萩原朔太郎の関係とは?
→ 宇野千代と梶井基次郎の関係とは?なぜ宇野千代はモテるのか
→ 宇野千代の人間関係 交流のあった作家・芸術家たち

広津和郎が宇野千代を「初荷の馬」と評した

宇野千代は『生きて行く私』で、馬込時代の広津和郎との印象的なエピソードを書き残しています。

当時の宇野千代は、好みの着物に安価な装身具をたくさん身につけて馬込を歩くことがありました。

そんな宇野千代の姿を見た広津和郎は、

「あれは、初荷の馬だね」
宇野千代 生きて行く私 (角川文庫) No.2650

と評したといいます。

広津和郎は、さまざまな飾りを身につけた宇野千代の姿を、「正月に初荷を運ぶ馬」と表現したのでした。

宇野千代は広津和郎にからかわれたとは受け取らず、広津が自分の姿を面白がっていたことが分かっていたと振り返っています。

宇野千代の弟妹を気にかける姿にも感心

広津和郎は、宇野千代が弟や妹たちの面倒をよく見ていたことについても言葉を残しています。

宇野千代は母親を早くに亡くし、父親の再婚によって生まれた弟妹たちを気にかけていました。

『生きて行く私』によると、広津和郎はそんな宇野千代に対し、姉というより「男の総領」のように、兄妹たちの面倒をよく見ているという趣旨のことを話したといいます。

馬込時代の広津和郎は、文学者として付き合うだけでなく、宇野千代の家族との関わり方まで知る間柄でした。

→ 宇野千代の兄弟 5人の異母弟妹たち
→ 宇野千代の継母・宇野リュウ
→ 宇野千代の父・宇野俊次
→ 宇野千代の家系図

宇野千代は広津和郎から麻雀を教わった

宇野千代が麻雀を覚えたのも、広津和郎と交流するようになった馬込時代です。

『宇野千代全集 第12巻』の年譜によると、1926(大正15)年頃の馬込では麻雀が流行しており、広津和郎も夢中になっていました。

馬込文士村で麻雀の手ほどきを受ける

宇野千代自身も『生きて行く私』で、尾崎士郎と馬込の大根畑の中に暮らしていた頃について、

「私たちは広津和郎から、麻雀のやり方を教わった。」
宇野千代 生きて行く私 (角川文庫) No. 3704

と振り返っています。

最初に教わったのは初歩的な打ち方でしたが、宇野千代たちはすぐに麻雀に夢中になりました。

宇野千代によると、当時は広津和郎の家へ麻雀をしに行き、朝も昼も夜もないほど熱中していたといいます。

『宇野千代全集 第12巻』の年譜にも、広津和郎から麻雀の手ほどきを受けた宇野千代が仲間に加わり、その後、麻雀が千代の最も好む遊びとなったことが記されています。

宇野千代は約60年間にわたって麻雀を続けた

広津和郎から教わった麻雀は、馬込時代だけの遊びでは終わりませんでした。

『生きて行く私』で宇野千代は、麻雀を始めてから執筆当時まで約60年間、さまざまなことがありながらも一貫して麻雀をやめなかったと振り返っています。

若い頃に広津和郎から教わった麻雀は、その後の宇野千代の人生に長く寄り添う趣味の一つになりました。

宇野千代と広津和郎は戦時中の熱海でも交流

宇野千代と広津和郎の交流は、1920年代の馬込時代だけではありません。

戦時中、宇野千代は夫・北原武夫とともに熱海へ疎開していましたが、同じ頃には広津和郎も熱海に滞在していました。

→ 北原武夫とは?宇野千代の4番目の夫

広津和郎の家で志賀直哉と麻雀

『生きて行く私』によると、宇野千代が熱海にあった広津和郎の家を訪ねると、そこには小説家・志賀直哉が来ていました。

宇野千代は広津和郎や志賀直哉らの仲間に加わり、一緒に麻雀をしたことを回想しています。

馬込時代に広津和郎から教わった麻雀を、年月を経て再び広津和郎と楽しんでいたことになります。

1920年代後半の馬込から戦時中の熱海まで、広津和郎は宇野千代の文学者仲間の一人として交流を続けていました。

宇野千代と「麻雀賭博事件」

麻雀を長く楽しんだ宇野千代ですが、その麻雀をめぐって警察沙汰になったこともありました。

『生きて行く私』では、自らが関係した「麻雀賭博事件」について詳しく振り返っています。

麻雀賭博をめぐり警視庁へ出頭

宇野千代によると、赤坂の料亭「一條」の関係者らと麻雀をした際、金銭を賭けて勝負していました。

その後、宇野千代の家にも刑事が訪れ、宇野千代自身も警視庁へ出頭することに。

『生きて行く私』によると、「麻雀賭博事件」で呼ばれた関係者は、宇野千代を含めて全員が関与したことを認め、さらに「いくら負けたか」という金額まで素直に白状したといいます。

すると事件を担当した警視庁の刑事は、

「負けたからと言って罪が軽くなるわけではないんですがね」

と話したことを、宇野千代は笑い話のように語っています。

ちなみに警視庁へ出頭する騒ぎになっても、こののち、宇野千代が麻雀をやめることはありませんでした。

ブラッサム 広瀬和郎のモデルは広津和郎か

NHKの朝ドラ「ブラッサム」には、主人公・葉野珠が東京・馬込村で暮らす時代に、広瀬和郎という人物が登場します。

名前や登場する時代、葉野珠(石橋静河)との関係などから、広瀬和郎は宇野千代と交流した小説家・広津和郎を参考にした人物と考えられます。

→ 青年期の葉野珠(石橋静河)とは?
→ ブラッサム 広瀬和郎とは?(準備中)

ブラッサム 広瀬和郎は10週で登場

「ブラッサム」の10週では、葉野珠が暮らす馬込村にさまざまな文士たちが集まります。

その一人として登場する人物が、文芸評論家の広瀬和郎です。

史実でも1926(大正15)年の暮れ頃に広津和郎が馬込へ移り住み、宇野千代と交流するようになりました。

ドラマの広瀬和郎と史実の広津和郎には、名前だけでなく、馬込で主人公と交流するという共通点があります。

→ ブラッサム 10週あらすじ

葉野珠も馬込村で文士たちと麻雀

「ブラッサム」の10週では、葉野珠が馬込村に集まる文士たちと麻雀に興じる様子も描かれます。

史実の宇野千代も馬込時代に広津和郎から麻雀の手ほどきを受け、麻雀仲間に加わりました。

その後、麻雀は宇野千代が長年にわたって楽しむ遊びとなっています。

そのため、10週で描かれる葉野珠と文士たちの麻雀は、宇野千代が馬込で広津和郎から麻雀を教わった史実と重なるエピソードとなるでしょう。

→ ブラッサム 登場人物 モデル一覧

宇野千代 広津和郎 関連記事

広津和郎とは?

朝ドラ「ブラッサム」の10週では東京・馬込村に住む葉野珠(石橋静河)のもとに、さまざまな文士たちが集まってきます。

その中には文芸評論家の広津和郎の姿もあります。

→ ブラッサム 広瀬和郎とは?(準備中)

ブラッサム モデル一覧

朝ドラ「ブラッサム」には、詩人の萩原朔太郎がモデルと考えられる萩宮朔太郎以外にも、実在した人物をモデルにしたキャラクターが登場します。

その一覧について、下記の記事でまとめています。

→ ブラッサム 登場人物のモデル一覧

ブラッサム 作品紹介

朝ドラ「ブラッサム」とは?

作品概要やキャスト、主人公・葉野珠のモデルとなった宇野千代について紹介します。

→ 朝ドラ「ブラッサム」とは?

ブラッサム 広瀬和郎が登場する週

文芸評論家・広瀬和郎がモデルと考えられる「ブラッサム」の広瀬和郎は10週で登場します。

→ ブラッサム 10週 あらすじ

ブラッサム あらすじ

朝ドラ「ブラッサム」の最新週から1週までのあらすじを随時更新します。

→ ブラッサム あらすじ 最新週から1週まで

ブラッサム ネタバレ最終回まで

朝ドラ「ブラッサム」の最終回までの展開や主要人物の結末について紹介します。

→ ブラッサム 最終回までの展開や主要人物の結末

参考文献

今回の記事は以下の書籍を参考としています。

著:宇野 千代, 著:小林庸浩 ほか, 著:小林庸浩 ほか
KADOKAWA
¥836 (2026/09/26 14:22時点 | Amazon調べ)
著:工藤美代子
¥970 (2026/09/26 22:22時点 | Amazon調べ)
unochiyo-hirotsukazuro

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次