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中津井キヨとは?宇野千代との関係・13年間履いた足袋の逸話

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中津井キヨ(なかついきよ)は、北海タイムスの支配人や北海道会議員を務めた中津井高助の妻で、小説家・宇野千代の親族にあたる女性です。

1920(大正9)年、宇野千代が夫・藤村忠とともに札幌へ移住した際には、中津井夫妻の邸宅に身を寄せました。

宇野千代の自伝『生きて行く私』には、キヨが13年間にわたって同じ足袋を繕いながら履き続けていたという逸話が登場します。

また、朝ドラ『ブラッサム』に登場する木村浪江(杉田かおる)にも、破れた足袋を繕って使う場面があり、中津井キヨがモデルとなった可能性があります。

この記事では、中津井キヨの家族や宇野千代との関係、足袋と蕨の煮付けの逸話、木村浪江との共通点について解説します。

→ 中津井高助とは?宇野千代との関係・北海タイムスでの経歴と死因
→ ブラッサム 木村浪江(杉田かおる)とは?
→ 宇野千代とは?

目次

結論|中津井キヨは宇野千代が「伯母さん」と呼んだ女性

中津井キヨ(なかついきよ)は、北海タイムスの支配人・中津井高助(1875~1925年)の妻で、結婚前は福士キヨと名乗っていました。

高助との間に実子はなく、キヨの実弟・福士清吉を養子に迎えています。

1920(大正9)年には、札幌へ移住した宇野千代と藤村忠の夫妻を自宅に迎えました。

宇野千代はキヨを「伯母さん」と呼び、自伝『生きて行く私』などで、13年間履き続けた足袋や蕨の煮付けが食卓に並ぶ倹約生活を回想しています。

また、朝ドラ『ブラッサム』の木村浪江(杉田かおる)には、破れた足袋を繕って使うという共通の逸話があり、キヨがモデルになった可能性があります。

→ 中津井高助とは?
→ ブラッサム 木村浪江(杉田かおる)とは?
→ 宇野千代の家系図

中津井キヨとは?宇野千代が「伯母さん」と呼んだ女性

中津井キヨは、北海道で新聞事業に携わった中津井高助(1875~1925年)の妻で、小説家・宇野千代の親族にあたる女性です。

夫の高助は北海タイムスの支配人や北海道会議員を務め、札幌に邸宅を構えていました。

1920(大正9)年、宇野千代が夫・藤村忠とともに札幌へ移住した際には、中津井夫妻の家に身を寄せています。

宇野千代は自伝『生きて行く私』の中で、キヨを「伯母さん」と呼び、その倹約を重んじる暮らしぶりを回想しました。

特に、13年間にわたって同じ足袋を繕いながら履き続けていたという逸話が印象的です。

→ 宇野千代とは?

中津井キヨの家族と夫・中津井高助

夫・中津井高助は北海タイムスの支配人

中津井キヨの夫・中津井高助は、1875(明治8)年3月4日、山口県玖珂郡川越村(現・岩国市周東町)に生まれました。

その後、北海道へ渡り、北海タイムスの支配人として新聞社の経営に携わります。

1919(大正8)年には北海道会議員に当選し、地方政治にも関わりました。

高助は北海道で財産を築き、妻のキヨとともに札幌の邸宅で暮らしていました。

→ 中津井高助とは?宇野千代との関係・北海タイムスでの経歴と死因

中津井夫妻には実子がなく養子を迎えていた

中津井高助とキヨの夫妻には、実子がいませんでした。

そのため、夫妻は福士清吉と養子縁組することになります。

中津井キヨは結婚する前は「福士キヨ」を名乗っており、キヨが姉で、清吉はその実の弟という関係です。

なおこの中津井夫妻の養嗣子となった清吉は、北海道新聞社の総務局資材部長・事業部長を歴任することになります。

中津井キヨと宇野千代の関係

宇野千代の祖母・シンと中津井高助の親族関係

中津井キヨは、夫・中津井高助を通じて宇野千代と親族関係にありました。

宇野千代の祖母・シン(宇野茂吉の妻)は、高助の叔母にあたります。

そのため、高助は宇野千代の実際の続柄では伯父ではありませんが、宇野千代は自伝の中で高助を「伯父さん」、キヨを「伯母さん」と呼んでいます。

中津井夫妻は、宇野千代にとって、故郷の山口県を離れて札幌で暮らす際に頼ることのできる親族でした。

→ 宇野千代の家系図

1920年に宇野千代夫妻を札幌の邸宅に迎える

1920(大正9)年、宇野千代の夫・藤村忠は東京帝国大学法学部を卒業。

藤村忠は、中津井高助の勧めもあって北海道拓殖銀行への就職を決め、札幌支店へ赴任します。

同年9月、宇野千代も夫とともに札幌へ移住しました。

札幌に到着した夫妻が最初に身を寄せたのが、中津井高助・キヨ夫妻の邸宅です。

宇野千代夫妻は中津井家に1週間ほど滞在した後、札幌市内にある、中津井高助の部下・松島安吉と妻・コウメの家で間借り生活を始めました。

→ 藤村忠とは?宇野千代の2番目の夫

中津井キヨの慎ましい生活ぶりは札幌時代の宇野千代に影響を及ぼす

宇野千代に見せた13年間履き続けた足袋

宇野千代の自伝『生きて行く私』には、中津井キヨが13年間にわたって同じ足袋を履き続けていたという逸話が登場します。

キヨは宇野千代に、13年間履いているという足袋を見せました。

その足袋は、傷んだ部分を繰り返し繕いながら使い続けていたもので、宇野千代はその丁寧な繕い方に強い印象を受けています。

夫の中津井高助は北海道で新聞事業に成功し、札幌に邸宅を構えるほどの財産を築いていました。

しかし、妻のキヨは財産があっても物を浪費することなく、身の回りの品を大切に使い続けていたようです。

13年間履き続けた足袋は、そうしたキヨの倹約を重んじる生活ぶりを象徴するものでした。

中津井家の食事で出された蕨の煮付け

また、宇野千代は中津井家での滞在中、食事に蕨の煮付けがよく出されたことに驚いています。

叔父の家の食卓は簡素であった。乾した蕨をうでて、煮付けにしたものがよく出た。しこしこしてうまかった。

宇野千代 宇野千代全集 第12巻 随筆 中央公論新社 21ページ

神埜努氏の著作『宇野千代の札幌時代: 女流作家の誕生』によると、実はこの食事に出された蕨は中津井夫妻が山に入って採ってきたもので、中津井家では一年中、この蕨のおかずが食膳に上っていたそうです。

宇野千代はこうした札幌での中津井夫妻の慎ましい生活ぶりにかなり影響を受けたと考えられます。

『脂粉の顔』でデビューする前の宇野千代は札幌での生活において、

・仕立ての内職
・頼母子講の積み立て

などに精を出し、新築の家に住むことを夢見ていたようです。

中津井キヨはブラッサム 木村浪江のモデルか

朝ドラ『ブラッサム』の北海道編には、杉田かおるさんが演じる木村浪江が登場します。

木村浪江は、札幌拓殖銀行に総務部長として勤める木村正吾の妻という役柄です。

『ブラッサム』の6週では主人公の珠(石橋静河)は、浪江が破れた足袋を繕って何度も使っている姿に感動します。

そのことについて浪江は「昔は何もない土地だったから物は大切に使いたい」と気持ちを教えてくれます。

こうしたエピソードは中津井キヨと宇野千代の間にあった逸話を彷彿とさせるでしょう。

→ ブラッサム 木村浪江(杉田かおる)とは?
→ ブラッサム 木村正吾(三宅弘城)とは?
→ ブラッサム 木村珠(石橋静河)とは?

中津井キヨ 関連記事

中津井キヨの家族や宇野千代との関係については、夫・中津井高助や藤村忠、宇野千代の家系図の記事でも詳しく解説しています。

中津井高助とは?

中津井高助(1875~1925年)は、中津井キヨの夫で、北海タイムスの支配人や北海道会議員を務めた人物です。

宇野千代夫妻が札幌へ移住する際には、藤村忠の北海道拓殖銀行への就職や移転資金、住居の面で支援しました。

→ 中津井高助とは?宇野千代との関係・北海タイムスでの経歴と死因

藤村忠とは?宇野千代の2番目の夫

藤村忠は、宇野千代の2番目の夫で、東京帝国大学法学部を卒業後、北海道拓殖銀行に就職した人物です。

1920(大正9)年、宇野千代とともに札幌へ移住し、当初は中津井高助・キヨ夫妻の邸宅に滞在していました。

→ 藤村忠とは?宇野千代の2番目の夫

ブラッサム 登場人物のモデル一覧

朝ドラ『ブラッサム』には、宇野千代をはじめ、実在した人物をモデルとする登場人物が描かれています。

木村浪江や木村正吾のモデルと考えられる人物についても、一覧で紹介しています。

→ ブラッサム 登場人物のモデル一覧

ブラッサム モデル 宇野千代 関連記事

朝ドラ『ブラッサム』の主人公・葉野珠のモデルは、小説家の宇野千代です。

宇野千代の生涯や家族関係、ドラマに登場する人物のモデルについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。

宇野千代とは?

宇野千代(1897~1996年)は、『色ざんげ』『おはん』などの作品で知られる小説家です。

1920(大正9)年には夫・藤村忠とともに札幌へ移住し、中津井高助・キヨ夫妻の邸宅に滞在しました。

→ 宇野千代とは?

宇野千代の家系図

宇野千代の父母や祖父母、親族との関係を家系図で紹介しています。

宇野千代の祖母・シンは中津井高助の叔母にあたり、キヨは高助の妻として宇野千代と親族関係にありました。

→ 宇野千代の家系図

宇野千代の夫

宇野千代は生涯で4度結婚しています。

2番目の夫・藤村忠とは札幌で生活し、北海道拓殖銀行への就職や移住には中津井高助・キヨ夫妻も関わりました。

→ 宇野千代の夫は誰?4人の夫と結婚・離婚の経緯

宇野千代の子供

宇野千代に子供がいたのか、結婚生活や自伝、年譜などの資料をもとに解説しています。

→ 宇野千代に子供はいた?結婚歴と家族関係

ブラッサム 作品紹介・あらすじ・ネタバレ 最終回

ブラッサム 作品紹介

宇野千代の生涯をモデルとした朝ドラ「ブラッサム」の作品紹介です。

→ NHK2026年後期朝ドラ「ブラッサム」とは?

ブラッサム 木村浪江(杉田かおる)とは?

朝ドラ『ブラッサム』に登場する木村浪江(杉田かおる)は、札幌拓殖銀行の総務部長・木村正吾(三宅弘城)の妻です。

第6週では、浪江が破れた足袋を繕って何度も使う姿が描かれ、主人公・葉野珠(石橋静河)に物を大切にする心を伝えています。

この逸話は、宇野千代に13年間履き続けた足袋を見せた中津井キヨのエピソードと共通しており、浪江のモデルになった可能性があります。

→ ブラッサム 木村浪江(杉田かおる)とは?モデルは中津井キヨか

ブラッサム あらすじ

朝ドラ「ブラッサム」の最新週から1週までのあらすじを随時更新します。

→ ブラッサム あらすじ 最新週から1週まで

ブラッサム ネタバレ 最終回まで

朝ドラ「ブラッサム」の最終回までのネタバレや結末予想を紹介します。

→ ブラッサム ネタバレ最終回まで 主な登場人物の結末

参考文献

今回の記事は以下の書籍を参考としています。

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