小説家・宇野千代(1897~1996年)には子供が1人いました。
・名前: 寵子(ちょうこ)
・性別: 女
・父親: 藤村忠(2番目の夫)
・いつ生まれた: 1916(大正5)年~1922(大正11)年の間(藤村忠との同棲・婚姻期間)
ただし寵子は早産で生まれ、生後1~2日で死去。
この記事では宇野千代と藤村忠との婚姻期間中の出来事や、宇野千代本人の作品や証言をもとに宇野千代の子供について解説します。
→ 宇野千代 子供 6人を亡くした経験
→ 宇野千代の妊娠
→ 藤村忠とは?宇野千代の2番目の夫
→ 藤村忠のその後
結論|宇野千代には寵子という娘がいた 6人の子供を失った経験
小説家・宇野千代には、2番目の夫・藤村忠との間に生まれた「寵子(ちょうこ)」という娘がいました。
宇野千代は瀬戸内寂聴との対談で、藤村忠との間にできた6人の子供を失い、そのうち1人は生きて生まれ、寵子と名付けたことを証言しています。
また、神埜努氏の研究書『女流作家の誕生 宇野千代の札幌時代』にも、6回の流産のうち、女の赤ん坊が生後2日間生きていたという記述があります。
宇野千代本人は寵子が生後1日で亡くなったと語っており、生存期間については資料によって違いがあります。
さらに、宇野千代の短編小説『夢』には早産で生まれた女児・月子が、『私と子供』には実の娘と同じ名前の寵子が登場します。
これらの研究書、本人証言、文学作品を照らし合わせることで、宇野千代が子供を失った経験を具体的に知ることができます。
→ 宇野千代 子供 6人を亡くした経験
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→ 藤村忠のその後
宇野千代の子供は生後2日で死亡 『女流作家の誕生 宇野千代の札幌時代』より
小説家・宇野千代(1897~1996年)が子供を亡くした経験については、神埜努(かんのつとめ)氏の著書『女流作家の誕生 宇野千代の札幌時代』に記述があります。
神埜努氏の指摘|宇野千代は6回流産し女児を出産
神埜努氏は『女流作家の誕生 宇野千代の札幌時代』の199ページで、宇野千代の子供について以下の通り言及しています。
子供が育たなかったことは、夫婦にとって極めて悲しいことであったに違いない。六回流産したうち、二日間生きていた女の嬰児がいた。短編「赤ん坊」(「中央公論」大正13年6月号。後に「夢」と改題)
神埜努『宇野千代の札幌時代:女流作家の誕生』共同文化社 199ページ
この時期、宇野千代は1916(大正5)年から1922(大正11)年までの間、京都・東京・札幌で藤村忠と同棲・結婚生活を送っていました。
7か月の早産で生まれた「月子」の描写 宇野千代の短編小説『夢』より
神埜努氏は、宇野千代が女の赤ん坊を亡くした経験に関連して、宇野千代の短編小説『赤ん坊』にも言及しています。
『赤ん坊』は1924(大正13)年6月の『中央公論』に発表された作品で、後に『夢』と改題されました。
この作品には、お弓と常吉という男女、そして2人の間に生まれた「月子」という女の赤ん坊が登場します。
月子は妊娠7か月を過ぎた時期に早産で生まれ、まもなく亡くなってしまうという設定です。
(八月児(つきご)は死んでも七月児は育つ、と言うんだったかしら?)とお弓は考える。赤ん坊は七月たっぷり、八月に少しかかって居る。
宇野千代 宇野千代全集 第1巻 中央公論社 129ページ
この描写は、宇野千代が後年、瀬戸内寂聴との対談で語った、妊娠7か月ごろに子供を失うことが多かったという経験を想起させます。
私は骨盤が小さくてね、子供があまり大きく育たないの。大体七ヵ月まででね、その前あたりにおりてしまうの。
瀬戸内寂聴『わたしの宇野千代』(中公文庫) 42ページ、Kindle版
→ 宇野千代の妊娠
神埜努氏とは?
『女流作家の誕生 宇野千代の札幌時代』の著者・神埜努(かんのつとめ)氏は、北海道の郷土史や文学を研究した人物です。
北海道大学で国文学を学び、北海道新聞社で長年勤務した経歴があります。
| 年月 | 経歴 |
|---|---|
| 1924(大正13)年7月9日 | 北海道空知郡南幌町に生まれる |
| 1944(昭和19)年9月 | 北海道第一師範学校本科を卒業、海軍に入隊 |
| 1945(昭和20)年 | 終戦後、釧路市や南幌町などで小・中学校の教員を務める |
| 1951(昭和26)年3月 | 北海道大学を卒業 |
| 1951(昭和26)年4月 | 北海道新聞社に入社。編集局学芸部、函館支社、苫小牧支局、編集局地方部などに勤務 |
| 1982(昭和57)年9月 | 北海道新聞社を定年退職。その後も編集・郷土史・文学の研究を続ける |
主な著書には『源流と支流―ルーツをたずねて―』や、共著『クラークの直弟子、札幌農学校第一期生・柳本通義の生涯』などがあります。
寵子(ちょうこ)と名付けられた赤ん坊 『わたしの宇野千代』から
神埜努氏の研究書では、生後2日間生きていた女の赤ん坊について紹介されていますが、その名前までは明らかにされていません。
一方、宇野千代本人は瀬戸内寂聴との対談で、亡くなった女児に「寵子(ちょうこ)」という名前を付けたことを語っています。
宇野千代が寵子の出産を証言|瀬戸内寂聴との対談
宇野千代は妊娠7か月ごろに流産を繰り返した経験を語るとともに、生きて生まれた女の赤ん坊の名前を明かしています。
宇野 みな何だかね、骨盤が狭くてね、育たないとかっていうんだけれども、七ヵ月ぐらいでみな流産する。
瀬戸内 まあ、惜しいですね。
宇野 一人はね、名前は寵愛の寵の字で、寵子と名前までつけたんですけどね、一人は生きて産まれて、一日生きていたんですけども、産婆さんが湯タンポを心臓のところに当てて死んだの。
瀬戸内寂聴 わたしの宇野千代 (中公文庫) 25ページ、Kindle版
神埜努氏は「2日生きた」としていますが、宇野千代自身は「一日生きた」と語っており、生存期間について記述が異なります。
寵子は『私と子供』でも実名で登場
寵子という名前は、宇野千代が1935(昭和10)年3月に雑誌『改造』で発表した短編小説『私と子供』にも登場します。
この作品は『宇野千代全集 第4巻』に収録されています。
『私と子供』の主人公は「私」という女性で、かつて「寵子」という女の子を出産し、その子供が生後3日で亡くなったことが語られています。
『私と子供』には、宇野千代と同棲していた画家・東郷青児や、その家族・関係者を思わせる人物たちが登場します。
ただし、ほかの登場人物には実名とは異なる架空の名前が使われている一方、寵子だけは実名で登場しています。
こうしたことを考えると、宇野千代は生後1日もしくは2日で亡くなった寵子について、特別な思いがあったことがうかがえるでしょう。
→ 宇野千代の子供は?6人の子供を亡くした経験
→ 東郷青児とは?宇野千代の同棲相手
宇野千代の子供と流産 まとめ
宇野千代は瀬戸内寂聴との対談で、2番目の夫・藤村忠との間にできた6人の子供を失い、そのうち1人は生きて生まれ、「寵子」と名付けたことを証言しています。
また、神埜努氏の研究書と宇野千代自身の短編小説『私と子供』にも、生後間もなく亡くなった女児についての記述があります。
| 資料 | 女児についての記述 | 生存期間 |
|---|---|---|
| 神埜努『女流作家の誕生 宇野千代の札幌時代』 | 6回の流産のうち、女の赤ん坊が生きていた | 2日間 |
| 瀬戸内寂聴『わたしの宇野千代』 | 宇野千代本人が寵子と名付けた娘の出生を証言 | 1日 |
| 宇野千代『私と子供』 | 主人公の「私」が寵子という娘を出産 | 3日間 |
3つの資料では生存期間が異なりますが、本人の証言と研究書は、女児が生きて生まれ、まもなく亡くなったという点で一致しています。
ただし、寵子がいつ生まれたのかは特定できていません。
寵子の生年月日については、『女流作家の誕生 宇野千代の札幌時代』と『わたしの宇野千代』のいずれにも記載がないためです。
→ 宇野千代の子供は?6人の子供を亡くした経験
→ 宇野千代の妊娠
→ 藤村忠とは?宇野千代の2番目の夫
→ 藤村忠のその後
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ブラッサム 作品紹介・あらすじ・ネタバレ 最終回
ブラッサム 作品紹介
宇野千代の生涯をモデルとした朝ドラ「ブラッサム」の作品紹介です。
ブラッサム 珠の妊娠と出産
朝ドラ「ブラッサム」の5週から6週にかけて、主人公の珠(石橋静河)が保(金子大地)の子供を妊娠して出産するも、早産のため生まれたばかりの子供を亡くしてしまうという場面が描かれます。
→ ブラッサム 珠の妊娠と出産
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ブラッサム あらすじ
朝ドラ「ブラッサム」の最新週から1週までのあらすじを随時更新します。
ブラッサム ネタバレ 最終回まで
朝ドラ「ブラッサム」の最終回までのネタバレや結末予想を紹介します。
参考文献
今回の記事は以下の書籍を参考としています。
